投資信託で毎月分配金が出るファンドがあるよね?まとまったお金があったらそれだけで生活できるんじゃないの?
夢の不労所得生活ですね!先生も憧れます!
実際に始める前にしっかり調べないと大損しちゃうかもですよ!
投資信託の分配金や株の配当金での不労所得生活は、投資をしている方なら誰しも一度は夢見たはずです。
実際にブログなどで分配金生活を綴っている方もおられます。
では、本当に分配金だけで生活できるのか?一生食べていけるのか?このあたりを検証してみます。
今日は分配金で不労所得生活ができるか検証するよ!
- 分配金でいくらあれば生活できるか?
- 生活に必要な分配金をもらうには資金はいくら必要?
- 本当に分配金だけで一生生活できるのか?
気になる夢の生活が実現できるか検証してみましょう!
分配金でいくらあれば生活できるか?
まずは不労所得生活をする上で、毎月いくらあれば暮らせるのかを考えたいのですが、単身なのか、家族持ちなのかなどの生活背景で大きく異なります。
我が家における生活費は自分の家計の支出を最低でも1ヶ月、できれば3ヶ月は細かくつけて、その平均値を取ると良いと思います。
ここでは、話を進める上での前提として世間一般の生活費の平均値を紹介します。
◆世間一般の生活費の平均値
◎世帯主の年齢別生活費の平均
◎収入別生活費の平均
二人以上の世帯の平均支出額は約28万円、勤労世帯になると約31万円という結果でした。
世帯主の年齢や年収によって支出って全然違うんですね!
特に注目して頂きたいのは、2つ目の表で収入が455万円未満の方の所です。
大多数は世帯人員は約3人とあり、夫婦で2人と子供1人と考えられます。
その状況下で月の生活費は約22.5万円
もし、実家暮らしで、家賃や光熱費を浮かせる事ができるなら、約20万円で生活できる事も可能かと思います。
自分はミニマリストだから、もっと安く生活できる!という方もおられると思いますので、ここでは生活費の基準として、家族(子供1人)で生活費は20万円とします。
本当は冒頭でも伝えた通り、不労所得生活をするなら自分自身の生活費の平均を算出することを強く推奨します!
ここからは、毎月20万円が生活費に必要と仮定して、その分の分配金をもらうには資金がいくら必要かを考えていきます。
生活に必要な分配金をもらうには資金はいくら必要?
投資信託のファンドは分配金が出る頻度が、年一回だったり、毎月だったり様々ですが、毎月の生活費に当てるためには毎月分配型のファンドから選ぶ必要があります。
不労所得生活(分配金生活)の定番ファンドと言えば、ズバリ『ワールド・リート・オープン(毎月決済型)』ではないでしょうか。
毎月分配型のファンド数が増え続ける中でずっとランキング上位にいます。
【特徴】
世界各国(日本、アメリカ、オーストラリア、スペイン、フランスなど)の上場不動産投資信託に投資するファンド
※上場不動産投資信託=リート(住居・オフィス・商業施設などの不動産に投資するファンド)
【概要】※2018年9月9日時点
基準価額:2,425円
純資産:3291.28億円
直近分配金:35円(毎月10日)
要するに世界中のリートに投資するファンドってことだね!
それでは、このファンドを基準に毎月20万円の生活費をもらえるにはいくら必要かを計算します。
ワールド・リート・オープンで毎月20万円もらうための必要資金
2018年9月9日に確認したデータでは基準価額2,425円で1万口の購入ができ、1万口あたり35円の分配金がでる事になります。
ということは、毎月20万円の生活費を得るためには、20万円÷35円☓1万口≒5,714万口必要となります。
つまり、5,714☓2,425円≒1,386万円となり、約1,400万円あれば毎月20万円ほどもらえる計算です。
ですが、分配金には特別分配金と普通分配金という2種類があり、後者の場合は約2割の税金が掛かります。
両者の違いは、ファンドが運用によって儲けた純粋な利益から出ているのか?それとも、資産の一部を切り崩して分配金を出しているのかの違いです。詳しくは下記の記事をご参照ください。
⇒投資信託の分配金の仕組みを知ろう!どこからお金が出ているの?
仮に20万円全てが普通分配金であれば、約4万円が税金で引かれるので、16万円が手元に残る計算です。
ということは、税金のことも考慮すると、約1,700万円ほどあれば税引き後でも20万円近くが手元に残ることになります。
毎月の生活費が15万円で済む方なら、必要資金は1,275万円になります。
また、毎月の生活費が30万円必要な方なら、必要資金は2,550万円になる計算です。
一つの目安(毎月20万円)として1,700万円あれば良いってことだね!
でも、本当に1,700万円貯まった時点で会社を辞めて不労所得生活に入って大丈夫なんですか?
毎月もらえる分配金額は基本的に減っていくものだから、安心はできないよ!
本当に分配金だけで一生生活できるのか?
1,700万円貯まって、毎月20万円の分配金を受け取ってもこれが継続する保証はどこにもありません。
ファンドの調子が良ければ、毎月20万円以上の分配金を受け取れるかもしれませんが、そうでない可能性もあります。
また、分配金額は先程のデータでは1万口あたり35円でしたが、今後は30円、25円と下がる可能性があります。
え?!分配金額って固定じゃないの?
そうなんだ!だから、1,700万円あっても毎月20万円もらえるとは限らないんだよ。
ワールド・リート・オープンの分配額の推移
ワールド・リート・オープンだけでなく、毎月分配型のファンドの分配金額は度々変動します。
増えることもあるのですが、減少する傾向が強いように感じます。(統計をとったわけではないので主観ではありますが)
◆ワールド・リート・オープンの分配金額・基準価額の推移
ほんとだ!分配金額って上がったり、下がったりしてるんだね!
基準価額に連動して分配金額が上下しているように見えますね!
このように分配金額は上下するので、資金1,700万円を投資しても毎月20万円もらえるとは限りません。
偶然でしょうけど、ワールド・リート・オープンに関しては過去15年間で2月に分配金額が変動している事が多い(2007年、2012年、2017年、2018年)ので、今後もその時期に変わるかもしれません。
もし、仮に分配金額が今の半分になれば、追加で1,700万円の資金を投入しないと月に20万円はもらえない計算になります。
同じファンドを保有し続けても毎月20万円は貰えそうにないですね。
分配金額だけじゃなく、基準価額も下がると資産価値も減っちゃうから気をつけて!
まとめ
- 節制すれば夫婦と子供一人で月20万円あれば生活は可能
- 1,700万円ほどあれば毎月20万円もらえる
- 分配金額は上下するので毎月の生活費を確保するのに追加資金が必要になる事もある
投資信託で分配金生活、株で配当生活と、不労所得で生活する夢は膨らみますが現実的な所、実現は難しそうです。
そもそも、今回紹介した1,700万円を貯める事も難しいですし、それを一気に投資する勇気も必要です。
加えて、分配金額が不安定で下落傾向にあるので、分配金を当てにして早期リタイアなどは考えない方が良いと思います。
よほど大量の資金がない限りは不労所得生活は厳しいと思います。