バイホー♪(BUY & HOLD)お金の学校のキリコです。
今日のテーマは、eMAXIS Slim先進国株式インデックスってどいう投資信託なのかについて紹介します。
すごく人気のファンドですが、本当に先進国株ファンドの中でベストなのか?
今日は、その点についても徹底的に紹介していきます。
You Tubeでも紹介していますので、通勤中や寝る前など聞き流したい方は動画をご視聴下さい。
eMAXIS Slim先進国株式インデックスとは?
eMAXIS Slim先進国株式インデックスってどんな投資信託なのか?
ものすごくザックリ言うと、こんな感じです。
- 先進国株式インデックスファンドの中で最も優秀
- 日本株・新興国株以外の幅広い地域に投資したいならベスト
eMAXIS Slim先進国株式インデックスは、数ある先進国株ファンドの中でも最優秀ファンドだと思っています。
運用条件によっては他のファンドが良い場合もあるかもしれませんが、少なくとも日本以外の先進国の株に投資したいなら、ほぼ万人におすすめだと思っています。
では、その根拠について、ファンドの概要を交えながら詳しく紹介していきます。
投資対象の地域
参照:eMAXIS Slim先進国株式インデックス-交付目論見書(2020.3.17)
eMAXIS Slim先進国株式インデックスのベンチマークはMSCIコクサイインデックスに連動した運用を目指すファンドです。
このベンチマークっていうのは、指標のことで、日本株に投資するファンドだったら、TOPIXとか日経平均株価などが有名です。
それと同じで、先進国株の指標っていうと、このMSCIコクサイが最もメジャーな指標の1つです。
MSCIって、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社のことで、ここが定めた先進国の内、日本以外の国の株を投資対象としています。
先進国の全ての株が投資対象になるんじゃなくて、大型株と中型株のみで、小型株は対象外です。
一般的に小型株って、値動きが激しいので、大型と中型に絞ってる時点で、割と手堅いベンチマークだと思います。
対象となる国は、円グラフにある通りで、アメリカ、フランス、イギリスなどで、アメリカの株価の比率が7割ほど占めています。
アメリカがメインではありますけど、他の国にも3割ほど投資しているので、はやりのアメリカ株1本でやるよりも地域分散効果は高いです。
では、この分散について、通貨分散という観点ではどうなっているかもご紹介します。
通貨分散の状況
参照:eMAXIS Slim先進国株式インデックス-交付運用報告書(2020.4.27)
こちらが、ファンドが保有している通貨の比率になります。
投資対象の地域と比例して、やはり、米国が7割程度を占めています。
次いで、ユーロ、イギリスポンドの順になっていて、主要な通貨はしっかりと網羅されています。
では、実際にどんな株に投資されているのかも紹介します。
運用中の組入銘柄
参照:eMAXIS Slim先進国株式インデックス-交付運用報告書(2020.4.27)
こちらは、ファンドが投資している上位TOP10の銘柄を見たものです。
組入銘柄の総数は1315銘柄ですが、上位10銘柄だけでファンドの資金の13.5%を占めています。
具体的な企業として、上位から順にアップル、マイクロソフト、アマゾン、フェイスブックといった、超有名な企業ばかりが上位を占めています。
eMAXIS Slim先進国株式インデックス以外の他の先進国株式の投資信託も組入銘柄や比率はほぼ同じです。
ちなみに、10位のネスレ以外は全部アメリカの企業で、ネスレはスイスの企業になります。
よく先進国株の話をすると、どの国が先進国なのか、今後新興国は先進国になるのか?という話があるので、続いて、この先進国の定義について紹介します。
先進国と新興国の違い
先進国と新興国の違いって、何をもって定義づけるか明確な条件ってないそうですが、MSCIでは次のように分類しています。
今回のeMAXIS Slim先進国株式インデックスに関しては、MSCIが先進国と認めた国の株を買い入れることになりますので、今後、先進国と見なされる地域が増えれば、その国の株も買い入れることになります。
ちょっと余談ですけど、このMSCIと並んで有名なベンチマークにFTSEっていうのがあって、このFTSEも概ね同じように先進国と新興国を分けてますが、韓国に関しては先進国扱いをしています。
そういえば、『eMAXIS Slim先進国株式インデックス』じゃなくて、『eMAXIS 先進国株式インデックス』っていう投資信託もあるけど、どう違うの?
Slimがついてないファンドですね!この違いはすごく重要ですよ!
eMAXIS Slim と eMAXISの違い
eMAXISとeMAXIS Slimは中身は一緒ですけど、保有維持コスト(信託報酬)だけが違って、SlimがついていないeMAXISの方が割高になっています。
下記の図は、投資信託が株を買うまでの流れを見たものです。
個人投資家が買うeMAXIS Slim先進国株式インデックスなどの投資信託はベビーファンドって呼ばれて、実はこのファンドが直接株を買っているわけではないです。
厳密には、ベビーファンドが資金を集めて、複数のベビーファンドがマザーファンドに投資して、マザーファンドが株式の売買を行います。
ここで、図をよく見てもらいたいんですけど、eMAXIS SlimもSlimがついていないeMAXISもマザーファンドは同じなんですよね。
こうした、ベビーファンドがマザーファンドに投資しするというお金の流れは違う他のファンドでも基本的に同じように行われています。
ということは、eMAXISに関してはマザーファンドが同じなので、全く同じ株を同じタイミングで売買することになるので、運用成績は全く同じってことになります。
ただ、違う点があるのは、ベビーファンドのコストです。
信託報酬って言われる、年間の維持コストがどんな投資信託にもかかってきますが、Slimの方は0.1023%、Slimじゃない方は0.66%と、名前の通り、Slimはコストがかなりスリムになってます。
SlimがついていないeMAXISを買うと、中身は同じで手数料だけ高い買い物になるってことですね!
そうなんです!同じものを高い手数料を払って買う意味はないですよね!
ここまでで、eMAXIS Slimの全容が分かってきたところで、はたして本当に先進国株ファンドではeMAXIS Slimがベストなのかを検証していきます。
つみたてNISAで買える先進国株ファンド一覧
この表は、つみたてNISAで買える先進国株ファンドの信託報酬、純資産、直近1年のリターンを調べたものです。(2020年7月19日時点)
全部で17本あって、MSCIをベンチマークとするものがメインですが、さっき少し触れたFTSEに連動するファンドも1つあります。
また、同じファンドでも為替ヘッジあり・なしのファンドもいくつかあります。
ファンド名に為替ヘッジありって書いてないものは、基本的に為替ヘッジなしです。
ですので、eMAXIS Slimも為替ヘッジなしになります。
今回は、この為替ヘッジありのファンドは比較対象外にしています。
なぜかと言うと、為替ヘッジありのファンドは個人的には必要ないと思うからです。
詳しくは下記の記事を参照下さい。
投資信託で為替ヘッジ有り・無しのどちらを選べばよいのか?その必要性や選択基準を紹介しています。
インデックスファンドの差別化ポイント
先進国株ファンドを選ぶにあたっては特別な選び方なんてなくて、米国株や全世界株と一緒で、コストが安いファンドを選ぶだけでOKです。
投資信託から得られるリターンは、株の収益から投資信託にかかるコストを引いたものになります。
つみたてNISAで買えるファンドのほとんどはベンチマークが同じなので、株から得られる収益はほぼ同じです。
となると、リターンに差が出るのはコストのみということになります。
こう言うと、本当にコストだけでリターンが決まるの?って話が聞こえてきそうなので、論より証拠ということで、さっきのファンドの一覧表に戻ってみます。
低コストファンドは本当にリターンが高くなるのか?
これは、ファンドのコストが低いもの順に並び替えて、1年間のリターンをみたものです。
こうやってみると、リターンに大きな違いはないですが、コストが低いファンドほどリターンが高い傾向にあります。
ですので、先進国株ファンドを選ぶにはコストが安いファンドを選べばOKと言って差し支えないと思います。
では、ここからは、最安値圏の低コストファンドに絞って、eMAXIS Slimと比較をしていきます。
eMAXIS Slim先進国株 vs 他の低コストファンド
この表は信託報酬が最安値圏のファンドの信託報酬と純資産と直近1年のリターンを見たものです。(2020年7月19日時点)
eMAXIS Slimの信託報酬は0.1023%で、同率でニッセイ外国株式インデックスファンドがあります。
あと、驚愕の信託報酬0%という野村スリーゼロ先進国株式投信とか、ベンチマークが違いますが信託報酬が0.0001%安いSBI先進国株式インデックスファンドもあります。
これらの中で、どれが良いかというと、何度もお伝えしているように私はeMAXIS Slimが良いと思っています。
ニッセイ・・・見た目のコストは同じでも実はeMAXIS Slimの方が安い
野村・・・購入できる証券会社が限定的。繰上償還の可能性も。
SBI・・・直近の成績はあまり良くない。
これらの理由をもう少し詳しく掘り下げていきます。
eMAXIS Slim VS ニッセイ
まずは、ニッセイ外国株式インデックスファンドとの比較です。
信託報酬はeMAXIS Slimと並んで0.1023%で同じなんですけど、eMAXIS Slimには純資産総額に応じてコストを下げるという仕組みがあります。
表のように、純資産総額が500億~1000億円と、1000億円以上の部分に関しては信託報酬が引き下げられるようになっています。
ちなみに、2021年2月12日時点では、eMAXIS Slimの純資産総額は1,656億円ですので、少なくとも0.1023%よりもコストは下がっています。
この仕組はニッセイにはないので、ファンド選びにはコストを重視したいということを考えると、eMAXIS Slimに軍配が上がります。
eMAXIS Slim VS 野村スリーゼロ
こちらは野村スリーゼロの特徴をまとめたものですが、特筆すべき点は大きく分けて3つあります。
①信託報酬0%は期間限定である
②繰上償還の可能性がある
③野村證券のつみたてNISAでしか買えない
まず、1つ目から紹介すると、信託報酬が0%なのは、2030年の末までで、2031年からは0.11%になります。eMAXIS Slimは現時点で0.1023%ですので、2031年以降はeMAXIS Slimの方が安くなります。
期間限定とは言え、今から10年ほど信託報酬0%なのはありがたいので、この点ではeMAXIS Slimに勝ち目ないです。
でも、気をつけるべき点は残り2点で、まず最大の危惧は繰上償還の可能性があることです。
繰上償還っていうのは、ファンドの強制売却のことで、一定の条件を満たせば、ファンドの倒産ってことになります。
この条件が、受益権口数が30億口を下回ったらとされています。これは、どういうことかっていうと、ざっくりですが純資産総額が30億円を下回ったらと考えてもらえたらOKです。
ちなみに、2020年7月19日時点だと純資産総額は5000万円程度しかなく、2021年2月13日時点でも4.9億円しか増えず、余裕で繰上償還の条件を満たしています。
ファンドが登場して4ヶ月程度しか経ってないという事もあるんですが、毎月1000万くらいしか増えてないので、30億に届くまで今のペースだと、25年かかります。
となると、繰上償還の可能性が高いんじゃないかと思います。
安全な純資産総額はいくらなのか?繰上償還について詳しい話は下記の記事を参照下さい。
投資信託の入門書にはファンドの純資産総額に必要な額は10億円だったり30億円だったりとバラつきがあります。本当の所、一体いくらが適切なのかより詳しく紹介しています。...
あと、このファンドって野村證券のつみたてNISAでしか買えないですよね。これが、資金が集まらない最大の理由でもあると思います。
つみたてNISAって基本的に1つの金融機関でしか口座開設できないので、先進国株以外の他の投資信託に興味があったら野村證券のつみたてNISA内のファンドを選ばないといけません。
野村證券で扱ってるつみたてNISAってスリーゼロも含めて7本しかなくて、正直あまり良いファンドが揃ってないので、先進国株以外にも投資をしたくなっても潰しがきかないです。
なので、野村スリーゼロをするなら、運用が2030年までで、繰上償還のリスクを覚悟の上で運用できる人はeMAXIS Slimより良いかもしれませんが、やっぱりeMAXIS Slimの方が基本的には良いと思います。
eMAXIS Slim VS SBI先進国株
野村スリーゼロを除けば、SBIファンドの信託報酬は最安値です。
SBIが0.1022%、eMAXIS Slimが0.1023%と、0.0001%安くなってます。
正直、誤差範囲のレベルですけどね。
このSBIファンドもeMAXIS Slimと同じく、純資産総額に応じてコストを下げる仕組みをとっています。
ただ、2021年2月12日時点の現状を見ると、eMAXIS Slimの純資産総額は1656億円ですが、SBIは41億円しかありません。
2020年7月19日時点では、MAXIS Slimの純資産総額は1131億円、SBIは25億円でしたので、半年ほどでSlimの方は500億円ほど純資産総額が増えましたが、SBIの方は16億円しか増えていません。
こうした純資産総額の伸びを考えると、SBIの方は純資産総額に応じたコスト引き下げサービスが適用されるのは、まだまだ先の話だと思います。
となると、表向きはSBIの方がほんの少し安いですけど、実際はeMAXIS Slimの方が安いと考えられます。
ただ、SBIは他の先進国株ファンドと違って、ベンチマークがMSCIではなく、FTSEを採用しています。
最初の方でお伝えしましたが、MSCIとFTSEの違いは、韓国を先進国と扱うかどうかという違いがあります。
それに加えて、MSCIは大型株と中型株で銘柄構成されていますが、FTSEは小型株まで含んでいます。
一般的に小型株は、値動きが荒くリスクが高くなる要因になります。その分リターンが高くなる可能性もあります。
直近1年のリターンはeMAXIS Slimのリターンが5.6%に対して、SBIは3.7%しかなく、2%ほどリターンが低くなっています。
今後どうなるか分かりませんが、よりリスクをとってリターンを狙いたいなら小型株を含むSBIファンドもアリだと思います。
eMAXIS Slimは更にコストを下げてくれる事に期待
コストにこだわり続けるeMAXIS Slimは更に安くなる可能性があります。
これは、現在までのeMAXIS Slimの信託報酬の引き下げの変遷を見たものです。
大体、年に1回か2回ほどコストが引き下がってます。
このコスト引き下げは、他の類似ファンドが信託報酬を下げたり、新しく安いファンドが登場したときに行われています。
ですので、今後、更に安いファンドがでてきたり、既存のファンドがコストを引き下げて最安値を更新しても、eMAXIS Slimは同水準の最安値まで下げてくれる事が期待できます。
とくに、この1つのファンドで最安値をキープし続けててくれのは、つみたてNISAでは効果が絶大です。
コストを引き下げてくれる投資信託はつみたてNISAと相性抜群!
なぜ、つみたてNISAとコスト引き下げてくれるファンドの相性が良いかというと、つみたてNISAって、年間40万円までの投資枠がありますよね。
仮に、今年の1月から6月までで20万円分の最安値ファンドを買ったとします。
その後、最安値ファンドがでたので、7月からは違う最安値ファンドに投資したいと考えているとします。
そうなると、最初の半年で買った、かつて最安値だった、今では最安値でないファンドも保有していかないといけません。
そのファンドを売って、買い直すと、つみたてNISAの制度の仕組み上、年間40万円の投資枠は売却しても増えないので、売ったら投資枠の無駄遣いになってしまいます。
なので、1つのファンドがずっと最安値を更新し続けてくれることは、つみたてNISAにとても相性が良いってことになります。
まとめ
- eMAXIS Slim先進国株式インデックスの最大の特徴はコストが安い
- ファンド選びで最も重要視されるべき点がコストなので、それだけで良いファンド
- ファンドの中身自体は他の先進国株ファンドと同じで、米国株への投資が7割あり、日本株には投資していない。
- 他の低コストファンドもあるが、純資産総額に応じて安くなるeMAXIS Slimはコストが最安値クラス
eMAXIS Slim先進国株式インデックスをつみたてNISAでやってみようと思えたなら、楽天証券がベストだと思います。
このファンドの購入時や保有時にポイント還元をしてくれる楽天証券とも相性が抜群に良いです。
つみたてNISAでおすすめの証券会社は楽天証券かSBI証券というのが定番ですが、実際に口座開設できるのはどちらかしかありません。私はポイント還元制度の充実度合いから楽天証券一択と考えています。...
楽天証券のつみたてNISAで、eMAXIS Slim先進国株式インデックスの積立設定をして、私も含め多くの方が投資信託の情報をツイッターなどで配信しているので、最安値ファンドがでていないか、アンテナを張り巡らせておけば安心して継続できると思います。
もし新しく安いファンドがでても、eMAXIS Slimだったら、そのコストまで下げてくれると思います!
それじゃ、バイホー♪
みずほ銀行、イデコ、たわらノーロード先進国株式1本です、昨年12月に担当に勧められるままに国内債権、定期など5種類からスイッチングしました。運用好調な投資に債権などの組み入れもある様ですがらキリコ様の動画、大変心強く参考になりました。
ありがとうございました