
ファンドによっては為替ヘッジ有り・無しってあるけど、どっちを選んだ方が良いんですか?

どっちが良いとは言いづらいですけど、選ぶための基準はありますよ!
海外に投資するファンドによっては、為替ヘッジ有り・無しの2種類が存在するものがあります。
投資対象は全く同じなのにファンドが2種類あったら悩みますよね。
そんな方に向けて、どういう基準で為替ヘッジ有り・無しを選んだら良いのか私の考えを紹介していきます。

今日の授業は為替ヘッジの必要性について紹介します。
- 為替ヘッジは必要なのか?
- 為替ヘッジを選択する基準
まずは為替ヘッジの必要性から紹介していきます!
為替ヘッジは必要なのか?
同じファンドで為替ヘッジ有り・無しと2種類あると悩みますよね。
為替ヘッジが必要かどうかは、以下の2点の内容を知った上で決めた方が良いと考えています。
- 為替ヘッジのリターンへの影響
- 為替ヘッジ有り・無しのリターンの差

まずは為替ヘッジの有無でリターンにどのような影響があるのかを紹介していきます。
①為替ヘッジのリターンへの影響

為替ヘッジってどんなものだと思ってますか?

仕組みは良くわからないけど、為替リスクを回避するためのものかな!

そうそう!為替リスクが回避できる代わりに余計なコストがかかって運用成績が悪くなる印象があります。
為替ヘッジというと、アオイくんやアイコちゃんのように、仕組みは詳しくは分からないけど、ヘッジコストをかけて為替リスクの影響を避けるためのもという認識があろうと思います。
為替変動リスクを避けるのは正解ですが、コストがかかって運用成績が悪くなるのは半分正解、半分間違いです。
ヘッジコストについて
為替ヘッジを行うことで、ヘッジコストがかかる反面、ヘッジプレミアムというものが発生することもあります。
この2つをすごーく簡単にお伝えします。
ヘッジコストというのは、日本円と外貨の金利差のことです。
低金利の国の通貨で高金利の通貨に為替ヘッジをかけると、ヘッジコストという金利差損が生じます。
一方で、高金利の国の通貨で低金利の通貨に為替ヘッジをかけると、ヘッジプレミアムという金利差益が生じます。

要するに必ずしも為替ヘッジをかけたからと言って、マイナスになるだけではないってことですね!

そうだね!でも、日本の場合は2016年にマイナス金利政策を導入して、他国の金利と低金利になっているので海外の資産に投資する為替ヘッジ有りのファンドの多くはヘッジプレミアムは生じずにヘッジコストがかかっています。
このように日本円で海外の資産に投資する多くの為替ヘッジ有りのファンドでは、ヘッジコストが生じているためリターンにマイナスの影響を与えています。

だから、リターンに差が生じるんだね!

為替ヘッジの有無でどのくらいリターンの差があるか調べられるんですか?
②為替ヘッジ有り・無しのリターンの差
為替ヘッジの有無でリターンの差を調べる方法はとても簡単です。
両ファンドのリターンを比較すればOKです。
為替ヘッジ有りと無しのリターンの差は為替差損益を示しています。
上記の例だと、全てプラスになっているので為替差益が生じている事を意味します。
また、リスクの差は為替変動リスクを表すことになります。

ヘッジの有無でリスクとリターンの差を見たら良いんだね!

そうですね!為替ヘッジが必要かどうかはそれらを見て自分に合うファンドはどっちかを選べば良いと思いますよ!

自分に合うファンドっていうのはどうやって選ぶの?
為替ヘッジの有無を選択する基準
他の記事や動画で何度もお伝えしている通り、投資信託を始める上で最も大切なことは『いつまでに』、『いくら欲しい』かという目標を決めることだと考えています。
いつまでに・・・30年後
いくら欲しい・・・老後資金のために3000万円ほしい
いくら出せる・・・初期資金0円、毎月3万円
これをモーニングスターの金融電卓などで計算すると
必要な利回り約6%と計算できる。
このようにして必要利回りを計算します。
あとは過去のデータから、その利回りが期待できるであろうファンドをいくつか組み合わせればOKです。
一般的に為替ヘッジ有りの方がリターンが低いですがリスクも低くなります。
そのため、為替ヘッジ有りのファンドのリターンで十分に必要利回りに届くのであれば、為替ヘッジ有りを選択。
そうでなければ為替ヘッジ無しを選ぶのが良いかと思います。

目標の設定が大事なのは分かるけど、そんなの計算するの面倒くさいよ~!

本当は目標設定してほしいんだけど、それだったら、為替ヘッジ無しを選んだらどうですか?

なんで為替ヘッジ無の方が良いんですか?

日本人の場合、金融資産の大半を日本円で持っている方がほとんどだと思います。考えにくいですが日本が破綻するなど何かあった時に大きく資産を減らすことになります。為替ヘッジをすれば外貨の資産を日本円で保有するようなものになるので、保有資産の大半が日本円というのはその点でリスクと考えられます。だから、為替ヘッジ無しで外貨資産を保有することも一考する余地はあると思うよ!
基本的に投資信託は複数の資産クラスに分散投資するものです。どのようなファンドをどういう風に組み合わせていけば良いのかは下記の記事を参照ください。
⇒インデックスファンドで積立投資!始め方から売り方の7STEP
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 為替ヘッジをすると基本的にはリターンが下がるが、リスクも低くなる。
- 自分にとって必要な利回りを決めてそれに沿って為替ヘッジの有無を考える。
- 多くの資産を日本円で保有している場合は為替ヘッジ無も一考する余地がある。
買う時は円高、売る時は円安だったら為替ヘッジなしが儲かるから、今後円安に進むと思うなら為替ヘッジ無し、逆に円高になるなら為替ヘッジ有りが良いという書籍等も見かけますが、株価の変動などと同様に為替が今度どのように変動するかなんて誰にも分かりません。
色々な理由で今後の予想は立てられるかもしれませんが、あくまで予想の範囲ですし、私も含め多くの方は運用のプロではないので世界中の経済情報にアンテナを張り巡らせて為替の動向を判断したりしている時間も知識も情報もないと思います。
そうした不確かな情報を調べることに時間を費やすよりも、すぐに分かる過去のデータからどのくらいのリスクとリターンが期待できるのかを調べて、それを参考値として為替ヘッジの有無を検討した方が良いと思っています。

まずは自分の目標利回りに沿ったファンドを選ぶこと!目標利回りの設定が面倒くさい方で、日本円に資産が偏っていれば外貨資産の保有という意味で為替ヘッジ無しも選択肢としてアリだと思っています!