インデックスファンドで積立投資やろうと思うんだけど、上手くできるか不安で・・・。
ちゃんとしたやり方と売り方を理解していれば大丈夫だよ!
インデックスファンドで積立投資をやろうと思っても、やり方はあっているのか?
始めたものの、どのタイミングでどうやって売ればいいのか?
これから始める予定の人も、始めて日が浅い人も初めての積立投資はドキドキものです。
今日の授業は積立投資の始め方から売り方まで紹介するよ!
- 積立投資を始める前の準備
- 積立投資の買い方
- 積立投資を始めてから気をつけること
- 売る時のタイミング
こんな感じで一連の流れを紹介するね!
それじゃ、積立投資を始める前の準備から順に紹介します。
積立投資を始める前の準備
STEP②:目標利回りを計算しよう
STEP③:目標利回りとなる資産配分を計算しよう
STEP④:積立投資するファンドを選ぼう
STEP⑤:ファンドを積立設定しよう
STEP⑥:投資信託を始めてから気をつけること
STEP⑦:売り方を考える
積立投資STEP①:目標期間と金額の設定
インデックスファンドで積立投資を考えているということは、ギャンブル的に一攫千金を狙うのではなく、長期的に安定して資産を増やしたい方だと思います。
そんな方にまず考えて欲しいことは、『何のために積立投資を始めようと思ったのか?』です。
多くの人の積立投資を始めるきっかけは、、、
- 老後の年金が心配だから若いうちから資産を増やしておきたい
- 学資保険の代わりに子供の大学費用を貯めておきたい
- マイホームを買うための頭金を用意したい
多くはこのような理由で始めようと考えていると思います。
ここで重要なことは、『いつまでに・いくら欲しい』を明確にすること。
これが非常に大事です。目標のない積立投資は単に余剰金をなんとなく増やしたいというギャンブル思考と大差ありません。
なので、まずは『いつまでに・いくら欲しい』を考えてみましょう!
私の場合は老後を見据えて積立投資していて、60歳でリタイアして、90歳まで生きると仮定すると、約3,000万円ほど必要でした。
人によって退職金、寿命、年金受給額は異なりますので、全員が3,000万円必要とは限りません。
自分の場合はいくら必要なのかを詳しく知りたい方は『ライフプランシート』と検索すると、何歳の時にいくら必要かを算出できるシートが入手できるサイトがいくつかHITします。
作成にはかなり時間を使うと思いますが、長期投資をする上でここがブレると後々に響きます。
基本的に投資信託は長期運用に向いていますので、最低でも10年以上の目標期間の設定が理想です。
自分の将来のためですので、しっかりと『いつまでに・いくら欲しい』を明確にしましょう!
積立投資STEP②:目標利回りを計算しよう
『いつまでに・いくら欲しい』これが決まったら、目標利回りを計算しましょう!
- 現時点で投資に回せる金額はいくらですか?
- 毎月いくら投資に回せますか?
まずは、ここを考えましょう。
スタート資金は0円からでも可能ですし、証券会社によっては100円から積立投資できる所もあります。
目標利回りの計算は私が自作したシートを使うと便利です。(※エクセルが必要です。)
利回り_資産配分計算シート
目標利回りの計算方法
- ①に投資に回せる現在の余剰金を記入(例:1,000,000円)
- ①に月額の積立予定金額を記入(例:80,000円)
- ①に積立投資予定の期間を記入(例:20年)
- ①に目標金額を記入(例:40,000,000円)
- 緑背景の所に計算結果 (例:5.95%)
こんな感じで、黄色のセルにスタート資金、毎月の積立額、投資期間、目標金額を入力すれば自動で目標利回りが計算できます。
積立投資STEP③:目標利回りになる資産配分を計算しよう
インデックスファンドで積立投資をするということは、投資対象は概ね下図の通りです。
インデックスファンドの主な投資対象は国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券、国内リート、先進国リート、新興国リートの9つに分類されます。
ただし、新興国リートに投資するインデックスファンドは非常に少ないです。
これらの資産に対して、何割ずつ配分すれば目標利回りになるかを計算してみます。
計算方法は先ほど紹介した『利回り_資産配分計算シート』を使うと楽チンです。
目標利回りにするための資産配分の計算方法
- ②に投資に回せる現在の余剰金を記入(例:2,000,000円)
- ②に月額の積立予定金額を記入(例:50,000円)
- ②に積立投資予定の期間を記入(例:25年)
- ②に目標利回りを記入(例:6.2%)
資産配分を計算する前に、上記の情報を入力します。
続いて、③にどの資産に何%配分するかを手入力で入れていきます。(トータルで100%になるように配分)(※毎月各ファンドに積立てる金額も表示されます。)
そうすると、④にその資産配分での利回りが計算されます。(例なら6.24%)
資産配分の組み合わせ方は自由です。なるべく色々な資産クラスに配分して、リスク分散しましょう!
株とリートに関しては値動きが似ていることもあるので、株と債券だけの組み合わせでも構いません。
何回も資産配分を入れ替えながら、④が目標利回りになるようにチャレンジします。
STEP④:積立投資するファンドを選ぼう
資産配分が決まったら、どのインデックスファンドに積立てるかを考えてみましょう!
積立投資に向いているファンドの条件は下記の通りです。
- 購入手数料が無料
- 信託報酬料が同じ資産クラスで最安値
- 純資産が最低でも10億円以上
- シャープレシオが同じ資産クラス内で最も高い
これらを基準に検討してみましょう。
特にインデックスファンド選びで最重要なのは信託報酬料です!
同じ資産クラスに投資するインデックスファンドであれば運用成績は大きく変わりませんので、信託報酬料が安ければ安いほど高いリターンが期待できます。
詳しいファンドの選び方をここで紹介すると膨大な量になってしまうので、下記の2記事を参考にしてみて下さい。
主要なインデックスファンドの情報を『投資信託はインデックスファンドで積立てよう!その理由は?』という記事内にまとめております。
資産クラス別のインデックスファンドはどんな所があるのか気になる方は参考にしてみて下さい。
証券会社や銀行のホームページでは、ファンドランキングなどが紹介されていますが、鵜呑みにしないでください!
なんでファンドランキングを参考にしたらダメなの?
必ずしも良いファンドが上位に来ているのではなく、金融機関が力を入れている(売りたい)ファンドが上位に来ている可能性もあります。もし参考にするなら、中立なランキングの『投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year』を参考にすると良いですよ!
あくまでランキングは参考程度にして、必ず自分の知識を信じてファンドを選びましょう!
ここまでが、積立投資をする前の準備で必要なことです。
積立投資するファンドが決まったら実際に積立設定をしていきましょう!
STEP⑤:ファンドを積立設定しよう
まずは、積立てたいファンドを扱っている証券会社を選ぶことが条件です。
証券会社や銀行によっては積立てたいファンドの取り扱いがない所もありますので注意してください。
積立注文の仕方に関しては下記の記事で楽天証券を例に詳しく紹介しています。
⇒投資信託で積立てる!始め方の基本と心構えがココにある
上記記事には、積立てるべき口座や積立てるタイミングについても紹介しています。
しっかり読んで積立て設定を行いましょう!
積立投資をする方のほとんどは運用益が非課税となるNISA口座を活用する方が多いと思います。
NISA口座は一人一口座しか作れないので、複数の証券会社や銀行で口座開設することはできません。
ですので、NISA口座で積立投資を検討している方は慎重に証券会社を選びましょう!
以前に『NISAは銀行と証券会社どっちで開設?答えは簡単です!』という記事内でNISAにおすすめの証券会社を紹介しています。証券会社が決まっていない方は参考にしてみて下さい。
STEP⑥:投資信託を始めてから気をつけること
積立投資を始めてから気をつけたいポイントは以下の2点です。
- 1年に1回は資産配分の見直し
- 目先の株価で気持ちを揺るがせない
最低でも1年に1回は資産配分の見直しを
ポートフォリオを見直すことをリバランスと呼び、この作業を定期的に行うことが長期的に見たときの利回りのブレを少なくすることができます。
リバランスについて簡単に説明をします。
日本と先進国の株と債券に25%ずつの配分目標で毎月積立てていたとします。
ですが、先進国債券の調子がよくて、日本株が不調だったとすると、同じ金額で積立てを継続していると保有配分は先進国債券が30%、日本株が20%と偏りがでてきます。
こうなったときに、先進国債券を5%売って、その分で日本株を買えば、当初の配分目標通り日本と先進国の株と債券に25%ずつに戻すことができます。
この作業をリバランスと呼びます。
大体半年~1年に1回ほど保有資産が目標資産配分と同じくらいになっているかをチェックしましょう。
書籍にもよりますが、配分のズレが5%以上起きていたらリバランスを推奨しているものが多い印象です。
私自身も5%以上のズレが生じた時に行っています。
NISA口座で積立てをしている場合、売却した分で購入すると使用可能枠が減ってしまうので、保有率が高いファンドの積立てを止めて、その分を保有率が低いファンドに回して配分を戻すようにしています。
目先の株価で気持ちが揺るがないように!
◆長期運用時の各資産クラスの推移(1802年-2005年)
投資信託を始めてから気をつけたいのは、積立てした資産が値下がりしても焦らないことです。
上図のように過去200年のデータを振り返るとSTOCK(株)やBOND(債券)は上げ下げを繰り返しながら右肩上がりに上昇しています。
上げ下げの要因にはリーマンショック、政策金利の変動、バブル崩壊など様々です。
上がっている時は「もっと買っときゃよかった!」と思っていても、下がりだすと「売らないとヤバイ!」という気持ちが誰しも湧いてくるものです。
ですが、ここで思い出して欲しいのが、STEP①で決めた目標金額と目標期間(『いつまでに・いくら欲しいのか』)です。
株にしても債券にしても、ずっと右肩上がりで上昇することはありえません。
逆に言うと、右肩下がりがずっと続くこともありません。
STEP③、④で過去の統計から推察される利回りを元にした資産クラスの配分と積立てるインデックスファンドを決めたはずです。
短期的な上げ下げに一喜一憂することなく、『自分の目標は◯◯年後だから今の株価は気にしない!』という気持ちで積立てを継続しましょう!
順調に積立ができたなら売り方も考えてみましょう!
STEP⑦:売り方を考える
何年、何十年と積立投資を継続していると次のような疑問が出てくると思います。
- 目標期間直前でリーマンショックのような株価大暴落が起きたらどうなるのか?
- 目標期間前に目標金額に到達した場合はどうすべきか?
- 不景気が続きどう考えても今のペースでは目標金額に達成しそうにない
- 目標金額・目標期間を達成したが、一括で売却すべきか投資を継続すべきか?
先々まで考えている人は、既にこのような疑問を持っているかもしれませんね。
それぞれの疑問について、私の見解を紹介していきます。
①目標期間直前でリーマンショックのような株価大暴落が起きたらどうなるのか?
『あと1年で目標の1,000万円だ!でも、明日リーマンショックのような事が起きたら資産が半分くらいになりそう・・・。』
こういうケースを想定している方は、売り方というよりも最初の買い方を工夫しましょう!
利回りが高い資産配分ほど、リスクが高くなります。(つまり、ハイリスク・ハイリターン)
例えば、目標利回りを5%、30年間投資するのであれば、最初の10年はハイリスク・ハイリターンで6%、次の10年はミドルリスク・ミドルリターンで5%、最後の10年はローリスクローリターンで4%の資産配分にすれば、ざっくりですが目標利回りの5%を達成できるはずです。
最初の10年間で6%を狙って、それに届かなければ、次の10年も6%にするという手法で、投資初期の頃にリスクを沢山取ればあとあとはローリスクローリターンの資産配分で運用できます。
こうしておけば、目標期間直前でリーマンショックのような出来事が起きても被害は軽症で済みます。
②目標期間前に目標金額に到達した場合はどうすべきか?
『ラッキー!10年も早く目標金額に到達しちゃったよ!』
こういう方は、資産を一括で売却して、全額を国内債券に全部移す事をおすすめします。
世界経済がパニックになったリーマンショック後も唯一値下がりしなかった資産が日本国債です。
ですので、目標金額を安全に守りたいと考えるなら日本国債がベストです。
銀行預金に預けた方が安全かと思うかもしれませんが、インフレが起こった場合、資産額は変わらずとも資産価値は下がります。
(※3,000万円で買う予定の家が3,500万円になってしまう。)
こうなると、銀行に預けているだけで資産が目減りするのと変わりません。
その点、債券に関してはインフレ率にも影響して価格が上下するので、目標金額を限りなく予定通りに使用する事が可能になると思います。
③不景気が続きどう考えても今のペースでは目標金額に達成しそうにない
『積立投資を始めてから数年間、値下がりが止まらない!どう考えても目標金額には達成しないよな・・・。』
こう思う方はSTEP⑥の目先の株価で気持ちを揺るがせないことが大切です。
積立投資を始めた瞬間に株価大暴落とか、始めようとした前日に株価急騰などは稀にあることです。
心が折れずに保有して、きっと目標金額に近づくはずと私なら信じて継続します。
④目標金額・目標期間を達成したが、一括で売却すべきか投資を継続すべきか?
『よし!予定通り退職までに3,000万円貯まったぞ!さて、この3,000万円どう使おうか?』
何か欲しいものが合って3,000万円貯めていたなら、さっさと一括で売却してそのお金で買えば良いです。
目標金額に達しても投資を続けるのはリスクでしかありません!
投資の旨みを知って運用をしないことが勿体無い気もしてきますが、100%増え続ける保証はないので潔く売るか、継続したいなら次の目標設定を立てるべきだと思います。
老後資金などで少しずつ3,000万円を使いたいなら、不景気に強い安全資産である日本国債に切替えて、毎月必要な額を取り崩していくと良いと思っています。
今日の授業を動画で復習
まとめ
- STEP①:目標金額と期間を設定
- STEP②:目標利回りを計算
- STEP③:目標利回りとなる資産配分を決定
- STEP④:積立投資するファンドを選ぶ
- STEP⑤:積立設定を行う
- STEP⑥:年に1回程度のリバランスと折れない心を持つ
- STEP⑦:状況に応じた売り方を考える
インデックスファンドで積立てる魅力は世界経済の成長に連動して資産を増やせる点です。
世界経済は緩やかながらも年々成長しています。
きっと、長期で積立投資を検討すれば複利の力で資産は増えるはずです。(私はそれを信じています。)
積立投資で最も大事なことはSTEP⑥の折れない心だと思っています。
景気がどのように動いても諦めずに一緒に積立継続をがんばりましょう!