投資信託っていつまで積立てたり、保有していればいいのかな?
投資信託のやめどきは目標に達したとき!出口戦略を考えてから始めないといけないよ!
投資信託を始めるときは、どこの証券会社でどんなファンドで運用しようかなどと準備(入口)は真剣に取り組むものの、肝心のやめどき(出口)に関しては割とアバウトだったりします。
投資信託に限らず、投資をするのであれば出口戦略は準備と同様に非常に重要です。
出口戦略なしに投資を始めてしまった方、これから始めようとしている方はどうやってやめどきを設定すれば良いかを考えていきましょう。
今日の授業は投資信託の出口戦略(やめどき)についてです。
- 投資信託のやめどきはいつ?
- 売却方法について(一括・分割)
- 積立投資のやめどきについて
それでは、投資信託のやめどきから紹介していきます。
投資信託のやめどき=目標金額に達した時
既に運用を開始している方も、これから始める方も投資信託のやめどきは『目標金額に達した時』と考えています。
目標金額以上のお金を運用して、増えたら嬉しいのですが、減る可能性もあります。
せっかく目標まで貯まったお金を減る可能性のある投資信託で運用継続してはリスクでしかないと考えています。
えっ?!目標金額なんか別に決めずに投資信託やってるんだけど・・・
いつも先生が『いつまでに』、『いくら欲しい』か決めてから運用しようって言ってたじゃん!
まぁまぁ、目標金額を決めてなかった場合のやめどきも紹介していくね!
目標金額を決めていなかった場合のやめどき
目標金額を決めずに運用していた場合のやめどきは、その人の現在の運用状況によって異なってきます。
- プラスリターンで運用できている
- マイナスリターンになっている。
- リターンはほぼプラスマイナスゼロ
これらの運用状況のパターン別にやめどきを紹介していきます。
その前にどんなパターンでもやるべきことは運用中でも『目標設定をすること』です。
まずはそこから紹介していきます。
共通:目標設定をしよう!
ただ闇雲にお金を増やしたくて運用をしていた方、余剰金をとにかく投資信託に回していた方、様々な方がおられると思いますが、まずここで目標設定をしていきましょう!
目標設定というとチープに聞こえるかもしれませんが、出口戦略とも言い換えられます。
出口戦略って言うとなんだかカッコイイね!
それでは自分自身に質問してください。
Ⅰ.投資信託で貯まったお金を何に使いますか?
Ⅱ.いつまでにお金が必要ですか?
Ⅲ.いくら必要ですか?
Ⅰは車、家、老後資金、子供の大学費用などが当てはまります。Ⅱは10年後、20年後といった具体的な期間です。投資信託は長期投資に向いているので期間は長ければ長いほど良いです。(できれば10年以上)Ⅲは500万円、1000万円といった具体的な金額です。
これらが決まったら目標達成のための必要利回りを下記のツールで算出します。
楽天証券-積立かんたんシミュレーション
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/saving/simulation/
ものの数十秒で必要利回りが算出できるはずです。
必要利回りが決まったら後は、下記のツールなどでアセットアロケーション(資産配分)を考えていきます。
my INDEX-資産配分ツール
https://myindex.jp/user/myaa.php
まずは、自分が今保有しているアセットアロケーションでどれくらいのリターンが期待できるのかを見ていきます。
上記で算出した期待リターンはインデックスファンドによるものです。ひふみ投信などアクティブファンドを組み入れていた場合は大きくズレが生じるかと思いますが、目安として知っておいた方が良いと思います。
続いて、この期待リターンと必要利回りを照らし合わせて、その差がどうなっているかを確認します。
期待リターン>必要利回り・・・目標設定に対して必要以上にハイリスク・ハイリターンです。株やリートの比率を下げて債券を上げましょう。
期待リターン≒必要利回り・・・ちょうどよい資産配分です。
期待リターン<必要利回り・・・目標設定に届きそうもないです。株やリートの比率を上げて債券を下げましょう。
このように、自分の目標と今現在のポートフォリオに乖離がないかを調べて複数の資産クラスにアセットアロケーションを変更し、それに合ったファンドを探してポートフォリオの再構築を試みます。
ポートフォリオに組入れる銘柄はアセットアロケーションに沿った資産クラスの中で信託報酬料が最安値のインデックスファンドが良いと思います。
下記の記事にて過去の統計からインデックス(パッシブ)ファンドの方がアクティブファンドよりも運用成績が高いファンドが多い傾向があることを紹介しています。また、同じ資産クラスのインデックスファンドであれば運用成績に大きな差はないので信託報酬料が安いほどパフォーマンスが高くなることが期待されます。
⇒パッシブ運用・アクティブ運用を比較!どっちがおすすめなの?
ここまでで紹介した流れは、投資信託をこれから始める方の手順と大差ありません。目標設定→アセットアロケーション決定→ポートフォリオ決定と、この流れを具体的にもっと詳しく知りたい方は下記の記事を参照ください。
⇒インデックスファンドで積立投資!始め方から売り方の7STEP
とにかく、必要利回りに沿ったアセットアロケーションとポートフォリオを決めておく必要があるってことですね!
そうだね!これができたら、現在の運用状況別に応じてやめどきが見えてくるはずですよ!
プラスリターンの方のやめどき
現在の運用状況がプラスリターンの方であればもしかしたら既に目標金額に達しているかもしれません。
もし、目標金額に達していたのなら『今がやめどき』だと思います。
その理由は最初の方でお伝えした通り、目標以上のお金になると嬉しいですが、減ってしまっては意味がないからです。
また、まだ目標金額に届かない場合は、先程決めたポートフォリオで運用継続してはいかがでしょうか。
目標金額に達したらやめる!達してなければ新しいポートフォリオで運用継続ってことだね!
マイナスリターンの方のやめどき
マイナスリターンが続くと精神的に運用継続するのは辛いかもしれません。
ですが、国内外の株と債券のインデックスファンドに長期投資した場合、『つみたてNISAが元本割れする確率は?始めようか迷ったら・・・』で紹介したように長期分散積立投資を継続することでプラスに戻る可能性も期待できます。
もう既に心が折れてしまった方は保有していても辛いだけなので、売ってスッキリするのも1つですが、目標に沿って新たに決めたポートフォリオを信じて継続するもアリだと思います。
運用継続するか、やめるかは自分の気持ちの許容度次第になります!気持ちにゆとりがあって運用継続するなら、これまでに紹介した通りやめどきは目標金額に達した時になります。
プラスマイナスゼロの方のやめどき
こちらもマイナスリターンの場合と同じよう出口戦略になろうかと思います。
目標に沿った新しいポートフォリオを信じて運用継続するか、投資信託には旨味がないと見限るかになろうかと思います。
資産運用は投資信託だけではないので、自分に合わないと思ったらやめても良いと思います。
嫌な気分のまま無理に継続していると、基準価額が下がったときに嫌気が差して売ってしまいがちです。
やめどきは投資信託をしたいかどうか、継続するなら決めたポートフォリオに沿った運用で目標金額に達した時ってことですね!
『アセットアロケーションとポートフォリオの違いは?投資信託を例に紹介』の記事内で紹介した通り投資信託の結果はアセットアロケーションが9割影響します。
準備の段階で運用結果が決まると言って良いほどアセットアロケーションの設定は重要です。
そのため、目標金額や期間を設定して出口戦略を考えておくことが重要です。
なるほど!だから目標設定とアセットアロケーションを見直したんですね!
目標金額に達してやめるとしたら、どうやって売ればいいですか?一括?少しずつ?
投資信託の売却方法(一括・分割)
投資信託の売却方法は大きく分けて2つあると思います。
- 一括で全て売る
- 少しずつ切り崩しながら売る
住宅ローンの返済とか、車の購入など大きな買い物をする時は①の一括売却の選択になろうかと思います。
ちょっと分かりにくいのが②の切り崩しながら売却ですかね。これは、老後の資金などを目標として貯めたお金を運用継続しながら少しずつ売っていく手法になります。
それぞれの売却方法を詳しく紹介していくね!
①一括ですべて売る
これまでに紹介した通り、目標金額に達した時がやめどき、すなわち売り時と考えています。
ケースによっては目標期間よりも早く目標金額に達することもあろうかと思います。
その場合でも、目標金額に達したら売るべきです。
何かに使うためのお金のはずなので、目標金額以上に増えても嬉しいですが増やす意味はないですし、何より値下がりする可能性があるので、せっかく貯めたお金をリスクにさらしておく必要はありません。
そのため、目標金額に到達した時点ですぐに一括売却するのが理想と考えています。
予定よりも早く目標金額に達した場合でも『目標金額に達した時がやめどき』ですよ!
②少しずつ切り崩しながら売る
老後の生活資金などのために運用をしていた方は、①で紹介したような一括で売却してもお金をすぐに全額使うことはないですよね。
一括で売却して、それを銀行に預けて少しずつ切り崩していく方法もありますが、ローリスクな資産にポートフォリオを変更して運用を継続するという方法もあります。
モーニングスターのツールを使えば、切り崩しながら運用する場合、どのくらいの期間で毎月いくら受け取れるかを計算できます。
モーニングスター-金融電卓
https://www.morningstar.co.jp/tools/simulation/index.html
運用継続しながら少しずつ切り崩して売却する場合は、目標設定の段階でそれも見越した目標利回りの設定をしておくと良いと思います。
簡単に言うと、30歳から60歳までの30年間は利回り6%で、60歳以降はローリスクで利回り3%で運用しよう!という感じです。
ローリスクのポートフォリオで運用継続しながら切り崩していくと、大切なお金をリスクにさらす事になりますが、資産を大きく目減りさせることなく運用できる事が期待できますね!
元本保証はないですけど、国内債券ファンドであれば、比較的安全に運用できると思いますよ!
売却のタイミングとか方法は分かったけど、積立をやめたい場合にもやめどきはあるのかな?
積立投資のやめどきは?
積立投資のやめどきも、目標ありきで考えた方が良いと思っています。
要は、現状のポートフォリオのままで目標金額に到達するかどうかがポイントです。
例えば、つみたてNISAなどで毎月3万円ずつ積立てをしていて、現在の評価額が100万円になっていたとします。
あと10年で150万円にしたいという目標であれば、積立を止めても利回り4%程度で運用できれば到達可能です。
ですが、10年で300万円にしたいのであれば、積立を止めると利回りは11%程度必要になります。
インデックス投資の平均利回りが5%程度であるため、このケースだと投資信託では厳しいかと思います。
積立をやめても目標期間内に目標金額まで到達できる見込みがあれば積立をやめても良いってことだね!
そうですね!だからこそ、積立てをやめるタイミングも目標設定が大切なんですよ!
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 投資信託のやめどきは目標金額に達した時
- 運用中の方も、これから始める方もまずは目標設定!
- 目標利回りに沿ったアセットアロケーションを考える
- 運用継続しながら分割して売る方法もある
一番理想的なやめどきは、基準価額が最高に達した時、買い時は最も安い時になりますが、それはプロの方でも見極めが難しいと思います。
私もそうですが、多くの方はそんなベストタイミングを狙っての売買はできないと思いますので、今回紹介したような目標に達した時をやめどきとすると分かりやすく理にかなっているのではないかと思います。
やめどきに迷ったら、その判断は自己責任になりますが『目標に達した時』を一つの目安として考えてみてはいかがでしょうか。
私自身はタイミングを狙って売買せずに目標到達まで淡々と積立継続しています!