アップルやマイクロソフトとかの外国株はNISAでも課税されるってホントなの?
非課税口座のNISAでも外国株の場合課税されます。でも、配当金にだけ課税されるのよ!
NISAで国内株を買って、その配当金は課税対象になりませんが、外国の場合、その現地の税制によって税金が徴収されます。
他にも、NISAで外国株を買う時に気をつけたいことがいくつかあります。
今日の授業はNISAで外国株を購入する時の税金や注意点について紹介するよ!
- NISA口座でも外国株は課税される?!
- 外国で課税される額はどのくらい?
- 証券会社別の外国株の種類と手数料
それでは、外国株と税金の関係について紹介していきます!
NISA口座でも外国株は課税される?!
NISAは非課税口座と言えど、海外と日本とでは税制が異なるので、海外で税金をとられてしまいます。
とは言え、譲渡益(売却時の利益)に関しては非課税で、配当金にのみ課税されます。
あと、忘れちゃいけないのが、為替差益です。
株式売却時に外貨から日本円に換金して得た、為替差益(為替差損)は確定申告の対象となります。
また、米国株であれば年に4回程配当金がでる所が多いです・
その配当金がでた時点での為替レートに対して、外貨から日本円に交換した時や買付けをした場合の為替差益(為替差損)も確定申告の対象となります。
ちなみに、為替差損が出た場合は他の雑所得があれば相殺できます。
- 配当金に対しては課税(NISAなら確定申告不要)
- 売買時の為替レートによって為替差益があれば課税+確定申告
- 配当金で買付けした場合は課税+確定申告
- 配当金を円転(換金)した場合は課税+確定申告
- 配当金を何もせず保有していたら確定申告不要
先生!イマイチ意味がわかりましぇん(泣)
うーん。具体例を出して説明するね!
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【1年目】
- 外国株の購入:100万円で100株購入(円貨決済、1株100ドル、1ドル=100円)
- 配当金1回目:100株×1ドル=100ドル(1株あたり1ドル、1ドル=100円)
- 配当金2回目:100株×1ドル=100ドル(1株あたり1ドル、1ドル=90円)
- 配当金3回目:100株×1ドル=100ドル(1株あたり1ドル、1ドル=110円)
- 配当金4回目:100株×1ドル=100ドル(1株あたり1ドル、1ドル=120円)
- 1年目配当金合計:400ドル
- 外国株の購入:100万円で80株購入(円貨決済、1株100ドル、1ドル=125円)
- 配当金1回目:180株×1ドル=180ドル(1株あたり1ドル、1ドル=110円)
- 配当金2回目:180株×1ドル=180ドル(1株あたり1ドル、1ドル=100円)
- 配当金3回目:180株×1ドル=180ドル(1株あたり1ドル、1ドル=90円)
- 配当金4回目:180株×1ドル=180ドル(1株あたり1ドル、1ドル=100円)
- 2年目配当金合計:720ドル
- 通年配当金合計:400+720=1120ドル
- 配当金で買付:1120ドルで10株購入(1株112ドル、1ドル=110円)
- 売却:190株を売却して2,299,000円 (円貨決済、1株110ドル、1ドル=110円)
【2年目】
【3年目】
②~⑤、⑧~⑪の配当金
配当金に対しては現地国での課税対象となり、アメリカであれば10%が自動的に徴収されます。
配当金で買付・円転(ドルを円に交換)せずに保有しているだけなので確定申告は不要です。
⑭の配当金での買付け
為替差損益があれば日本での課税対象となり、確定申告が必要。
買付時のレート:1ドル=110円なので、②~⑤、⑧~⑪の各配当金に対して為替差益(為替損益)が発生。
(考え方)
②(110円‐100円)×100株=+1,000円
③(110円‐90円)×100株=+2,000円
④(110円‐110円)×100株=±0円
⑤(110円‐120円)×100株=-1,000円
⑧(110円‐110円)×180株=±0円
⑨(110円‐100円)×180株=+1,800円
⑩(110円‐90円)×180株=+3,600円
⑪(110円‐100円)×180株=+1,800円
合計:+9,200円 ← 為替差益がでるので雑所得として確定申告が必要(日本国内で課税対象)
配当金を円転(ドルを円に交換)した場合も、同様に雑所得として確定申告が必要です!
⑮の売却
2年間で合計200万円の投資に対して、299,000円の利益がありましたが、NISA口座なので非課税です。
ただし、売却時の為替差益には日本国内の税金が発生した場合は確定申告が必要です。
(考え方)
売却時のレート:1ドル=110円なので、
①(110円‐100円)×100株=+1,000円
⑦(110円‐125円)×80株=‐1,200円
⑭(110円-110円)×10株=±0円
合計:-200円 ← 為替差損のため税金は発生せず、確定申告不要
為替差損がでた場合は、他の雑所得があれば確定申告でマイナス分を相殺できます!
通常、一般口座や特定口座で購入した外国株の配当金は、現地で課税され、国内でも課税されるので二重課税扱いとなり確定申告で外国税額控除を受けることができます。
でも、NISA口座の場合、国内では非課税となり、二重課税扱いとならず、確定申告で外国税額控除を受けることができません。
外国で課税される金額はどのくらい?
外国株で課税される税金は国によって異なります。
アメリカ:10%
中国(香港市場):0%(中国本土企業銘柄は10%)
中国(上海A株市場):10%
シンガポール:0%
タイ:10%
マレーシア:0%
インドネシア:20%(銘柄によって5%還付もある)
韓国:15%
ロシア:15%
こうやってみると、日本の20.315%って他国と比べると随分高いです・・・。
NISA対応OKな証券会社別の外国株の種類と手数料
外国株が買えるオンライン取引可能な証券会社のNISA対応可否を紹介します!
合わせて、取引可能な外国株もまとめます!
ネット取引で、NISA口座で外国株を買える証券会社は限られていますので、上記3証券で検討してみましょう。
2017年9月25日より楽天証券がSBI証券,マネックス証券に並んで売買手数料が業界最安値水準の約定代金の0.45%(最低5ドル、最大20ドル)になり、どの証券会社も手数料は横並びです。
ただし、マネックス証券は買付手数料に関しては無料なので、他の証券会社よりも有利です。
その点から中国、米国の株を買うならマネックス証券でしょうが、それ以外の国を狙うならSBIか楽天のどちらかになります。
そんな楽天とSBIのどちらが安いか計算してみました。
楽天とSBIの外国株売買手数料はどちらがやすい?
※2017年9月25日より楽天証券もSBI証券も売買手数料が同じになりましたので、どちらも手数料に差はありません。
売買手数料を計算する上で、バンガードトータルワールドストック(通称:VT)を例に考えてみます。
2017年5月18日時点での株価は約66ドルで、1ドル≒110円です。
◎NISA限度額の120万円を購入した場合
NISAで上限額の120万円買ったとすると、、、120万円÷(66ドル×110円)≒165株購入できる計算になります。
SBI証券①:165株×66ドル×110円×0.45%≒5390円
SBI証券②:20ドル×110円=2,200円 ← ①より②の方が安いのでこちらの手数料となります。
楽天証券:25ドル×110円=2,750円
◎NISA限度額の半分の60万円を購入した場合
60万円買ったとすると、、、60万円÷(66ドル×110円)≒82株購入できる計算になります。
SBI証券①:82株×66ドル×110円×0.45%≒2,678円
SBI証券②:20ドル×110円=2,200円 ← ①より②の方が安いのでこちらの手数料となります。
楽天証券:25ドル×110円=2,750円
NISA限度額の120万円まで買うならSBI証券の方が手数料は断然安いんですね!
そうだね!NISAで5年間積立て続けたとしたら、売却する時はもっと約定代金が高くなってると思うので更にSBI証券の方がオトクですよ!
SBI証券が安いとは言え、日本国内の株式の売買手数料は楽天証券もSBI証券もマネックス証券も無料なので、それと比べると高く感じてしまいます。
あと、海外ETFの買付手数料はSBI証券も楽天証券もマネックス証券も無料ですよ!
NISAでも外国株の配当は課税されますが、海外ETFの場合、その信託報酬がずば抜けて安いです。
全世界株式に投資する国内のインデックスファンドと海外ETFを比較して、NISAで積立てた場合、課税分も考慮してどっちがオトクかを計算してみました。
⇒NISAはVTか三井住友DC全海外株式インデックスファンドか?
2017年9月25日の取引分から米国株・ETFの取引手数料が、SBI証券、マネックス証券と同じく、約定代金の0.45%、最低5ドル、最大20ドルとなりました。これで、楽天証券での米国株やETF(個人的には特にVT)が買いやすくなりましたね!
まとめ
- 外国株の配当金は現地の税率でNISAでも課税される
- NISAでは外国税額控除を確定申告できない
- 為替差益(為替差損)が出たら確定申告を忘れずに
外国株の配当金はNISAでも課税されることはあまり知られてないです。
配当金が課税されることも考えて投資計画を立てましょう!
外国株は、知名度・安定性・配当金の高さなど魅力はいっぱいですが、NISAでも配当金は課税されることは覚えておきましょう!