悩

投資信託に債券ファンドはいらないよ!って聞いたけど本当なんですか?

ポイント

債券自体は良い投資先だと思うけど、先生としては先進国の債券は不要だと思っています。

投資関連のブログや書籍を調べていくと、『債券は不要だ!』という内容をしばしば見かけます。

私自身は債券は不要だと言い切れないと思っていますが、日本を除く先進国債券に限っては不要だと思っています。

これを外国債券不要論と言います。

笑

今日はこの外国債券不要論について詳しく紹介していきます!

  • 外国債券不要論って何?その根拠は?
  • 新興国や日本の債券も不要なの?
  • 債券が必要なケースはないの?

ブログ内でも割と出てくる外国債券不要論について詳細を紹介していくね!

外国債券不要論って何?その根拠は?

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外国債券不要論はその名の通り、海外の債券の中で、とりわけ先進国の債券は投資価値がないというものです。

その理由は下記のようにいくつかあります。

◆先進国債券が不要な理由

  1. 先進国の金利が下がりにくい
  2. 為替によるリターンの影響が大きい
  3. 長期のパフォーマンスは株の方が良い
  4. 実はリスク分散効果が薄い

特に①の金利による影響が一番大きいと個人的には思っています。

ポイント

ここからは、それぞれの理由を掘り下げて紹介していきます。

①先進国の金利が下がりにくい

そもそも、債券というものは国の政策金利によって価値が大きく上下します。

今の日本のように『インフレ』を目指す、アメリカのように『金利の利上げ』をするなどが実際に起こると、金利が上昇します。

ポイント

実際にここ数年でアメリカは利上げし、日本はマイナス金利を導入(利下げ)しました。では、債券価値はどうなっているか見てみましょう!

kinri_saiken

このように金利が上がると債券の価値は下落し、逆に下がると上昇します。

データは少し古いですが、2017年9月時点での先進国と新興国の金利を比較したものが下表になります。

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先進国の金利は新興国と比べて、非常に低くなっているため、これ以上は下がりづらいという考えがあります。

つまり、『金利が下がらない=債券価値が上がらない=先進国債券は不要』というのが外国債券不要論の大きな理由の1つです。

②為替によるリターンの影響が大きい

日本円で投資信託をしていると、為替の影響が気になりにくいですが、立派な外貨投資をしていることになります。

海外の債券に投資するファンドは日本円を外貨に変えて購入しています。

円高で買って、円安で売れれば大きな儲けがでますが、逆だといくら海外債券の価値が上がっていても儲けが少なくなります。

悩

それって海外の株式でも同じことが言えるんじゃないんですか?

笑

そうだよ!でも、株の方が債券よりも長期リターンが良いんだ!

③長期のパフォーマンスは株の方が良い

株と債券を比較すると、長期リターンは株の方が良いです。

◆長期運用時の各資産クラスの推移(1802年-2005年)
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上図は株(STOCK)債券(BOND)を1802年から2005年の約200年間の推移を示したものです。

長期のパフォーマンスを見ると株のリターンの方が高くなっていることが分かります。

200年間という超長期間のデータですが、これはあくまで過去のデータであって、今後も同じ推移を取るとは限らないので一概にこの点だけでは外国債券は不要とは言えないと思います。

ポイント

株の方が債券よりも長期投資に向いてそうですね!

怒

でも、債券は株のリスクを抑えるために必要だって聞いたよ!

困

確かにそうだけど、実はそこまでリスク分散効果は高くないんですよ。

④実はリスク分散効果が薄い

株の不安定なリターンのムラを低減させるために、債券が必要と一般的に言われています。

確かに株が下がれば、債券が上がる傾向にあるとは思います。

ですが、リーマンショックのような世界的な経済パニックが起こったらどうなるかと言うと、、、

Lehman Shock

下落率は低いものの、債券も株と同様に運用リターンは下がっています。

今や株のお守りがわりとして債券を持つというのは古いセオリーなのかもしれません。

ポイント

こんな理由から先進国債券は不要だと私は思っています!

悩

新興国や日本の債券もいらないんですか?

新興国や日本の債券も不要なの?

あくまで個人的な考えですが、先進国債券に比べて新興国債券や日本の債券は投資価値が高いと思っています。

新興国債券に関しては、外国債券不要論の金利の所で紹介した通り、政策金利が先進国に比べて非常に高いです。

つまり、今後は金利が下がる可能性が十分にありますので、債券価値が上昇するのではないかと思っています。

ただし、新興国債券のインデックスファンドは信託報酬料がまだまだ高いので、個人的には現時点で投資していません。

一方で国内債券はと言うと、日本国債は他国の債券と異なり少々特殊です。

日本円が安全通貨とされているため、日本によほど重大なことが起きない限り大きな下落はなりにくいと考えています。

実際にリーマンショック時の日本国債の値動きをもう一度御覧ください。

Lehman Shock

このように全世界の金融資産が下がる中、日本国債は上昇しています。

また、外国債券のように為替差益や為替差損と言った債券の値動き以外の要素が排除できるのも特徴です。

ただし、日本の政策としてインフレを目指すとのことですので、今後は金利が上昇する(債券価値が下がる)可能性があります。

こうした事から、個人的には現時点では投資はしていませんが、リタイア後は安全資産としてポートフォリオに組入予定です。

ポイント

新興国債券は信託報酬料が安いファンドがあれば、国内債券は安全資産を組み入れたい時に選ぶ価値があるってことですね!

悩

ここまでの話だと債券はいらないように感じるんだけど、実際どうなんですか?

債券が必要なケースはないの?

ここまでで、日本、先進国、新興国の債券の特徴について紹介しました。

内容を改めてまとめると、、、

◆各国の債券の特徴
日本・・・為替差損益がなく、安全性が高い
先進国・・・債券価値が今後上がる可能性が低い
新興国・・・先進国よりも債券価値が上がる可能性が高いが、信託報酬料が高いファンドが多い

これらの特徴はあくまで長期投資を前提に考えたものです。

ブログ内ではインデックス投資による長期資産運用を前提に話をしていますが、人によっては短期売買をされる方もおらると思います。

外国債券不要論はあくまで長期投資をする上で、株価が上昇し続けることを前提としています。

短期売買であれば、株と債券の逆相関を利用して、攻めの株・守りの債券としての投資価値はあると思っています。

ポイント

短期売買される方だけでなく、日本を除く先進国債券に将来性を感じておられる方も投資をすべきだと思いますよ!

今日の授業を動画で復習

まとめ

★ココがポイント★

  • 外国債券不要論とは日本を除く先進国の債券は自分のポートフォリオに必要ないという考え
  • その大きな理由として、先進国の金利が今後は大きく下がらないという観点から来ている
  • 新興国債券は上昇の余地がある
  • 国内債券は安全資産としての投資価値はある

今回は外国債券不要論に関して、一般的に言われていることや私の考えをまとめて紹介しました。

あくまで、個人の考えが入っているので必ずしもそうなるとは限りません。(投資は自己責任でお願いします。)

笑

この内容が少しでも投資信託の選定基準の参考になれば嬉しいです。