インデックスファンドってコストの値下げ競争が激しいですけど、存続って大丈夫なんですか?今後どうなっていくと思いますか?
こんにちは。お金の学校のキリコです!
インデックスファンドのコスト競争が激化して、信託報酬料は年々引き出さがっています。
コストが下がれば個人投資家には嬉しい反面、こんなに下げて大丈夫なの?と思う所もあります。
今回はコスト競争が激化するインデックスファンドの行末について私なりに考えてみました。
結論からお伝えすると、コスト競争から脱落したファンドは繰上償還、ファンドの統合の可能性があると考えています。
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You Tubeでも紹介していますので、通勤中や寝る前など聞き流したい方は動画をご視聴下さい。
インデックスファンドはコスト競争が激化している
参照:保有コスト「信託報酬」に注目(投信観測所)(日本経済新聞)
2018年6月時点のものですが、インデックスファンドのコストは2010年頃から年々引き下がっている事が一目瞭然です。
(アクティブファンドは上がってますけどね(^_^;))
投資信託のイメージというと、プロに運用を任せられるけど、その分コストが高くてコスト負けしてしまう可能性があるという所ではないでしょうか。
ですが、それは古いイメージで、つみたてNISAで主力のインデックスファンドに関してはコストはほとんどタダ同然になっています。
なぜインデックスファンドだけコスト競争が激しいのか?
インデックスファンドはご存知の通り、インデックス(ベンチマーク)に沿った運用を目指すファンドです。
日本株ファンドであれば日経平均やTOPIX、米国株ファンドならNYダウやS&P500などがベンチマークになります。
ベンチマークが同じであれば、構成銘柄や保有割合はファンドが異なってもほぼ同じになります。
つまり、ベンチマークが同じインデックスファンドは期待リターン、リスクはほぼ同じということになります。
動画配信サービスで例えるなら、Netflix、アマゾンプライム、Huluなどがありますが、仮に3社とも全く同じ映画やドラマを配信しているのに月額料金が違えば安い所を選びたくなりますよね?
これはインデックスファンドでも同じで、中身が同じであれば安いものに投資したいというのは当然の事だと思います。
今後のインデックスファンドはどうなるか?
私見ですが、インデックスファンドのコスト競争が続けばより低コストなファンドに資金が流出していくと考えています。
また、資金が流出したファンドの行末は下記の2パターンになると考えています。
- 繰上償還
- ファンド統合
繰上償還とは、保有中のファンドの強制売却に当たります。
ファンドの統合とは、企業と同じくファンド同士の合併のことです。
両者をもう少し詳しく紹介していきます。
繰上償還とは?
ファンドの資金が流出して純資産総額が一定の金額を下回ると繰上償還(ファンドの強制売却)が起こる可能性があります。
繰上償還される基準額はファンド毎に設定されていて、おおよそ10億円~30億円程度に設定されているファンドが多いです。
繰上償還で勘違いされがちなのが、会社の倒産で株価が0円になるのと混同される事があります。
株の場合は企業が倒産すると保有株の価値はほぼ0円になりますが、ファンドの場合は繰上償還されても、その時点での基準価額で売却されるので保有継続こそ出来ませんが、損する事はありません。
各ファンドの繰上償還の基準額の調べ方は下記の記事が参考になると思います。
投資信託の入門書にはファンドの純資産総額に必要な額は10億円だったり30億円だったりとバラつきがあります。本当の所、一体いくらが適切なのかより詳しく紹介しています。...
ファンドの統合とは?
企業と企業が合併するのと同様に、ファンドも統合される事があります。
実際に過去にはファンドが統合された事もあります。
eMAXISとeMAXIS Slimシリーズなど運用会社やマザーファンドが同じファンドの場合は可能性は十分あると思います。
生き残るファンドはコレだ!
ここまでの話を踏まえて生き残るインデックスファンドは『純資産総額が流出しないファンド』になると思います。
それは、低コスト化にも柔軟に対応したり、販売会社が力を入れてプロモーションしたりする等のファンドが該当するかと思います。
主観ですがインデックスファンドを積極的にプロモーションしているような販売会社は無いように感じますので、低コスト化に対応し続けるファンドが生き残るファンドと考えています。
過去にコストを下げたファンドの一例を下記に列挙します。
- eMAXIS Slimシリーズ
- たわらノーロードシリーズ
- <購入換金手数料なし>ニッセイシリーズ
- SBIインデックスファンドシリーズ
- iFreeシリーズ
上記は過去に値下げをした全てのファンドではなく、その一例です。
このように値下げ競争に積極的に参加するファンドは、資金の流出が少なく、繰上償還やファンド統合のリスクは少なくなると考えています。
最強はeMAXIS Slimシリーズ!!
- 同じ資産クラスのファンドの中で最安値のコストを目指し続けている
- 純資産が増えるほど信託報酬料が引き下がる
個人的には最も生き残るファンドの候補として『eMAXIS Slimシリーズ』ではないかと考えています。
たわらやニッセイシリーズのファンドも各資産クラスで最安値のコストを提供しているものもありますが、eMAXIS Slimはファンドの方針として、『業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続けるファンド』という事を謳っています。
実際に過去に何度も他の新しく安いファンドが登場したり、既存のファンドがコストを引き下げても、それに追随するようにコストを引き下げています。
加えて、純資産残高が増えるほど信託報酬料を引き下げるという仕組みまであります。
このようなコスト競争に意欲的なインデックスファンドは将来的に生き残るファンドではないかと考えています。
まとめ
- インデックスファンドのコスト(信託報酬料)は年々引き下がっている
- ファンドから資金が流出すると繰上償還、ファンド統合の可能性がある
- 生き残るファンドはコスト競争に意欲的なファンド
ファンドの繰上償還によって強制売却されても、企業の倒産のように株が無価値になるわけではなく、その時点での基準価額で売却されるので大損することはありません。
でも、NISA口座でファンドが繰上償還されてしまうと、年間の投資限度額が決まっているため、今まで非課税枠で投資してきた分が無駄になってしまいますし、課税口座で売却益が出た場合はその分が課税されて差し引かれるので、運用効率が悪くなります。
そのため、個人投資家の方によっては繰上償還のリスクを回避するために同じ資産クラスのファンドを複数に分けて投資されている方もおられます。
今後もコスト競争は続くと思います。コストが下がるのは嬉しいことですが、繰上償還などのリスクも考慮して生き残るファンドを選ぶ必要があると思います。