投資信託って何を基準に銘柄を選んだらいいんですか?
選び方の基準は色々ありますよ!まずは、データの見方や意味を覚えて銘柄を選ぶと良いですよ!
国内で購入できる投資信託には株と同様に5,000を超える銘柄(ファンド)があります。
この数は年々増えていき、沢山の中から自分にあった銘柄を選ぶ必要があります。
今日の授業は投資信託の選び方についてです!
- 銘柄(ファンド)の各データの意味を知る
- データを活用したファンド選び
- 定期的なファンドの入れ替え(リバランス)
- おすすめのインデックスファンド
まずは、銘柄の選び方から見ていきましょう!
投資信託の銘柄の選び方
株の銘柄は3,000以上ありますが、投資信託には5,000以上のファンドがあります。
株で言う銘柄のことを、投資信託ではファンドと呼びます。
5,000以上のファンドから自分に合ったものを選ぶのは大変だと感じるかもしれません。
ですが、投資信託の場合はファンド毎に公開されているデータがあります。
そのデータの見方が分かれば、ファンド選びの基準もできるはずです。
各データの見方や意味
証券会社のホームページなどで、投資信託の各ファンドを調べるとこんな感じでデータが紹介されていると思います。
下の添付の画像は楽天証券で調べた日本株に連動するとあるインデックスファンドのデータです。
これらのデータの意味を正しく理解することで、ファンド選びの方法を知ることができます。
以下に、それぞれのデータの意味を解説しますが、長いので飛ばし読みしてもOKです。
必要なデータについては、後で解説します。
それぞれの期間で年間の利回りを算出したものです。
上のデータでは5年で18.85%です。つまり、直近の5年間では毎年18.85%の利回りあったということになります。
このリターンには信託報酬料などの手数料が加味されています。
リターン(年率)楽天分類平均
指定の期間でベンチマーク(日経平均やS&P500など)がどのくらいの利回りが出たかを指しています。
インデックスファンドの場合、ベンチマークと同じリターンを出すことが最大の成果なので、リターン(年率)とリターン(年率)楽天分類平均の数値が同じであるほど優秀なファンドと言えます。
アクティブファンドの場合は、リターン(年率)がリターン(年率)楽天分類平均の数値よりも上回るほど優秀なファンドです。
インデックスファンドはベンチマークに連動することを目指したファンドで、アクティブファンドはベンチマークを上回る運用成績を目指したファンドのことです。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
⇒パッシブ運用・アクティブ運用を比較!どっちがおすすめなの?
リターン(期間)
リターン(期間)とリターン(年率)の違いは、年率は1年あたりの利回りに対して、期間はその期間でどのくらい基準価額が上下したかを指しています。
データの場合、リターン(期間)は5年で137.17%です。つまり、5年前と比べて137.17%も基準価額が上昇していることになります。
リターン(期間)楽天分類平均
こちらもリターン(期間)とリターン(年率)と同様になります。
ベンチマークが指定期間から何%上昇(下降)したかを示しています。
リスク(年率)
投資信託におけるリスクとは、マイナスになる確率のことではありません。
指定期間のリターン(年率)におさまる確率のことを表します。(リスクは標準偏差と呼ぶこともあります。)
95%リターン(年率)=リターン(年率)±リスク(年率)×2
この式は何かと言うと、指定期間内において95%の確率で、そのリターン(年率)内にリターン(年率)がおさまるという確率です。
上のデータの5年のリターン(年率)、リスク(年率)を当てはめると、、、
95%リターン(年率)=18.85±(21.04×2)=-23.23%~60.93%
つまり、このファンドの場合、5年間持ち続けると、95%の確率で、-23.23%~60.93%のリターン(年率)になるという意味になります。
この先投資をしていく上で、自分の資産がどのくらい増える(または減る)可能性があるのか目安として使用します。
投資信託のリスクについては下記の記事で詳しく解説しています。よく言われる『リスク分散』についても触れていますので参考にしてみてください。
⇒投資信託はリスク分散が基本!3つのコツをご紹介!
リスク(年率)楽天分類平均
楽天分類平均とついているので、察しの良い方はお分かりかと思います。
ベンチマークに対してリスク(年率)のことを指します。
ベータ(β)
ベンチマークとファンドの基準価額がどのくらい同じ値動きをするかを示しています。
ファンドの値動き幅(%)=ベータ(β)×ベンチマークの値動き幅(%)
インデックスファンドの場合、ベンチマークに連動することを目的としたファンドのなので、ベータ(β)は1に近いほど優秀なファンドです。
一方、アクティブファンドの場合はベンチマークを上回ることを目的としたファンドなので、ベータ(β)は1よりも高いほど優秀なファンドです。
相関係数
相関係数はベータ(β)の信憑性を示す数値で、-1.0~+1.0の間の数値で示されます。
相関係数が0.8以上の場合はベータ(β)の値は非常に信頼できる数値になりますが、それ未満だと徐々に信頼度は落ちてきます。
特に0.2未満の場合は信頼度ゼロと言っても良いほど、ベータ(β)の値は信用できません。
リターン(年率)がどれほど良くても、この相関係数が低いと今後も安定して良い結果がでるとは限らないので、リターン(年率)だけに騙されないようにしましょう!
アルファ(α)
ファンドの基準価額の上昇率(下降率)とベンチマークの上昇率(下降率)の差を示しています。
どういうことかというと、景気が良くて株価が上昇しているような場合、株に連動するファンドであれば基準価額は上昇するのが普通です。
このアルファ(α)はそんな株価の上昇がベンチマークと比べてどのくらい上昇(下降)しているかを示しています。
つまり、ファンドの優秀さを表している数値と言えます。
トラッキングエラー(TE)
ファンドの目標とするポートフォリオ(組み入れ銘柄)と実際の組み入れ銘柄の差を示した数値です。
この数値が0に近いほど、優秀なファンドです。
特にインデックスファンドの場合は他の同じ資産クラスのファンドと比較して値が少ないものが良いです。
シャープレシオ(SR)
一言で言うとファンドの優秀さを表している数値です。
ファンドの収益と経費を表したもので、インデックスファンドであれば0.5以上は欲しい所です。
詳しくは過去記事の『資信託の選び方は?長期保有する場合のポイント!』の中で、「シャープレシオとは?」という章にて紹介しています。
インフォメーションレシオ(IR)
アクティブファンドを選ぶ時に使用します。
インフォメーションレシオ(IR)が1以上のファンドは超優秀と言えますが、なかなかそのようなファンドがないのが現状です。
先生!複雑すぎて覚えられません!!
そうだね。ついつい、力説してしまった・・。(反省)
銘柄(ファンド)選びで必要なデータだけ紹介していくね!
データから銘柄(ファンド)を選ぼう!
投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドがありますが、当ブログではインデックスによる長期積立て投資を推奨しています。
そのため、今回はインデックスファンドの選び方についてご紹介します。
それぞれの特徴や、積立てるメリット・デメリットを下記の授業の「投資信託はなぜインデックスファンドで積立てるべきなのか?」で紹介しています。
違いや特徴を知らない方はぜひチェックしてみてください。
⇒投資信託はインデックスファンドで積立てよう!その理由は?
インデックスファンドの長期積立て投資を検討するなら知っておきたい情報があります。
『いつまでに(どのくらいの期間で)』、『いくら欲しいか?』(=目標利回りはいくらか?)
このことを明確にしておかないとファンドを選ぶことはできません。
それらが明確になったら、次のデータを見て自分に合ったファンドを選んでいきましょう!
- リターン(年率):データの最長期間で目標利回りに近いことが重要!
- リスク(年率):リターン(年率)±リスク(年率)×2でリターン(年率)を求めてマイナスになっても許容範囲であるかが大切
- ※余裕があれば、トラッキングエラー、シャープレシオもチェック
インデックスファンドを積立てる場合、1つの資産クラスに積立てるのではなく、複数の資産クラスに分散投資することが大切です。
日本・先進国・新興国の株や債券のファンドなど複数を組み合わせましょう!
日本株に連動するファンドにいくつか投資しても、そのファンドの投資先が同じである以上、リスクやリターンに大きな差はないので分散する意味がないです。
必ず異なる資産クラスに分散しましょう!
その時に、投資先の全てのファンドの平均利回りが目標利回りとなっていればOKです。
他にも信託報酬料(手数料)が安い所も重要な要素となりますよ!
複数のファンドに分散投資する場合のファンドの選び方については下記の授業で「初心者向け!長期保有する場合の投資信託の選び方のポイント」の章で詳しく紹介しています。
ファンドの選び方をもっと知りたい方はチェックしてみてください。
⇒投資信託の選び方は?長期保有する場合のポイント!
ここまでファンドのデータの事を紹介してきましたが、インデックスファンドのリターンを参考にする場合はファンドのデータよりも、インデックス(日経225やTOPIXなど)のリターンを参考にする方が良いですよ!
長期保有する場合の注意点(ファンドの入れ替えについて)
目標の利回りと投資するファンドを決めると、ポートフォリオができあがります。
日本株のファンドに20%、先進国株に40%、新興国債券に40%毎月積立てるなど、
どの資産クラスに、どの程度の金額を投資するかを決めたもの
長期間投資していると、このポートフォリオがずれてきます。
例えば投資資金の内、日本株に毎月20%投資していたのに、蓋を開けるとトータルの日本株の保有資産が10%になっていたり、逆に先進国株に毎月40%していたのに、トータルの先進国株の保有資産が50%になっていたりします。
この場合は、資産を入れ替えて、当初のポートフォリオ通り、先進国株を10%売って、日本株を10%買い足すと良いです。
こうした入れ替えをリバランスと言います!覚えておいてね!
初心者向けのおすすめのファンドは?
自分にあったファンドを選ぶことが大事ってのは分かったんですけど、ファンド選びに自信がないんで初心者におすすめのファンドとかないんですか?
ん~。ほんとは自分で選んでほしいんだけど、参考程度におすすめのファンを紹介するね!
- 日本株:eMAXIS Slim国内株式(TOPIX)
- 日本債券:eMAXIS Slim国内債券インデックス
- 先進国株:eMAXIS Slim先進国株式インデックス
- 先進国債券:eMAXIS Slim先進国債券インデックス
- 全世界株:eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
どの資産クラスもeMAXIS Slimシリーズになっていますが、これには理由があります。
インデックスファンドは基本的に資産クラスが同じであれば運用成績に大きな差はありません。
ですので、最も重要視したいのは信託報酬料(維持手数料)です。
eMAXIS Slimシリーズは各資産クラスにおいて、他の類似ファンドが信託報酬料を値下げしたら常に同水準以上をキープするとしています。
そのため、今後新たにファンドができても、既存のファンドが信託報酬料を値下げしてもeMAXIS Slimシリーズで揃えておけば安泰だと思います。
今日の授業を動画で復習!
まとめ
- 投資信託の銘柄(ファンド)を選ぶには各データの意味を知る
- 特にリターン(年率)、リスク(年率)、信託報酬が重要なデータ
- ファンドは定期的にリバランスすること
今回は長々と解説してしまいましたが、重要なことはこれまでの授業でお伝えしてきた通りで、
- いつまでに、いくら欲しいのか?=目標期間と目標利回りの設定
- 目標期間と目標利回りから手数料が安いインデックスファンドを複数選ぶ=分散投資したポートフォリオを組む
- ポートフォリオは定期的に入れ替える=当初の目標に沿ったリバランス
この3点がしっかりしていれば、安定した投資ができるはずですよ!