つみたてNISAってスイッチングできないの知ってた?
マジで?!それって不便じゃん!やらない方が良いのかな?
つみたてNISAはiDeCoと違って運用商品の入替え(スイッチング)ができません。
スイッチングをすると運用効率が上がりそうな気もしますが、つみたてNISAにおいてはそもそもあまり必要ないと考えています。
今日の授業はつみたてNISAでスイッチングは必要かどうかを考えてみます。
つみたてNISAでスイッチングは必要か?
つみたてNISAではそもそもスイッチングを必要とする機会は少ないと考えています。
そもそも、スイッチングをしたい時ってどんな時でしょうか?
- 売り時・買い時を見極めた時
- リバランスをしたい
-もうコレ以上あがりそもないファンドの利益確定をしたい
-見通しが悪いファンドへの投資を辞めたい
-もっと調子が良さそうなファンドに乗り換えたい など
だいたいこんな感じでしょうか。
iDeCoと違ってつみたてNISAではスイッチングはできません。
でも、そもそもスイッチングって必要なのでしょうか。
私はつみたてNISAでスイッチング制度が導入されたとしても使用する機会はほとんどないと考えています。
その理由をスイッチングのタイミングに合わせてそれぞれ紹介していきます。
①売り時・買い時を見極めて売買する意味がない
つみたてNISAにおいて、売買のタイミングを見極めて投資する必要がそもそもありません。
というのも、売買を頻繁に繰り返すこと自体が無意味であり、運用効率の向上に繋がらないと考えているからです。
なぜスイッチングしても運用効率が上がらないのか?
昨今の日本株を例に考えてみます。
アベノミクスが始まった!金融緩和だ!オリンピックだ!ということで、ここ数年日本株はずっと伸び調子です。
ですが、オリンピックが過ぎた頃には日本株は落ちると言われています。
それじゃ、オリンピックが始まる2020年まで日本株を買って、その後は売って違う資産に変えた方が良さそうだね!
アメリカの調子はずっと良さそうだから、2020年からはアメリカ株に投資するファンドに変えようかな!
でも、これって100%起こり得ることでしょうか。
もしかしたら、2020年以降の日本株はもっと上昇するかもしれないし、逆にそれまでに大きく下落するかもしれません。
あくまで個人や世間一般の考えであり、誰も予想がつかないんです。
ごちゃごちゃと運用商品を変えるよりも、市場全体に投資してじっと待っていた方が効率が良いという書籍も多々あります。
その根拠は次の表にあります。
◆アクティブファンドがインデックスに負けた割合(2018年)
この表は左のファンドカテゴリー(資産クラス)に投資するアクティブファンドが、市場平均にどれくらい負けたかを示しています。
どの資産クラスにおいても、過去10年で6割以上のアクティブファンドは市場よりも運用効率が悪かったという結果になっています。
アクティブファンドを指揮するファンドマネージャーは腕利きの頭の良いプロがやっているにも関わらずこの結果です。
特に下から2つ目、3つ目のグローバル株式ファンド、国際株式ファンドは世界全体の株式を投資対象として見ています。
日本だけでなく、投資地域を変えても悲惨な結果になっています。(過去10年で市場に勝ったファンドは10%未満!)
つまり、プロのファンドマネージャーでも、ほとんど市場平均に勝てていない現実があります。
だからこそ、景気のタイミングを見て売買をするよりも、インデックスファンドでずっと市場全体に投資していた方が運用成績は安定すると思います。
プロでも売り時・買い時の判断は難しく結果を残せていないのだから、売買タイミングを重視してのスイッチングは必要ないと考えられます。
では、②のリバランスについてはどうでしょうか。
②リバランスにスイッチングは必須ではない
リバランスは確かにスイッチングができると便利です。
例えば、上図のようなリバランスをしたい場合、過剰になりすぎた先進国債券の5%を売って、日本株を5%分買う必要があります。
iDeCoであれば、先進国債券の利益は非課税で投資枠を減らさずに日本株を買うことができます。
つみたてNISAで同じことをすると、先進国債券の利益は非課税ですが、年間40万円という限られた投資枠を削って日本株に追加投資することになります。
投資枠を削ってまでリバランスをすると、それこそ運用効率は悪くなると思います。
つみたてNISAでリバランスをしたいなら、上図の場合は先進国債券の積立を一度ストップして、その分の金額を日本株に回すと自然と目標の資産配分に戻すことができます。
すぐに目標の資産配分に戻せないことは欠点ですが、投資枠を減らさずにリバランスができるおすすめのやり方です!
こうした方法があるので、スイッチングができなくてもリバランスに関しては大きな問題にはならないと思います。
また、最初からグローバルに投資するインデックスファンド1本に投資しておけば、そもそもリバランスの必要もありません。
つみたてNISAでおすすめのファンドは『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』です。その根拠や考え方については下記の記事で紹介しています。
⇒投資信託|20代におすすめのファンドはたったの1本だけ!
まとめ
- つみたてNISAではスイッチングできない
- 売買をタイミングを意識したスイッチングは無意味
- つみたてNISAでも効率よくリバランスはできる
つみたてNISAはスイッチングできないからやめようかな?と思っていた方も考えは少しは変わったでしょうか。
今回紹介したようなデータや内容を参考にして頂ければ、つみたてNISAにおけるスイッチングはあまり必要ないと思います。
ですので、スイッチングできないことを理由につみたてNISAをしないのはもったいないと思います。
せっかくある金融制度はなるべく最大限に有効活用していきましょう!