キリコ先生がもし20代に戻ったらどのファンドに投資しますか?
今の自分の知識があったら迷わず選ぶファンドが1本あります!
もし自分が20代、特に就職してすぐの自分に戻れたなら今頃は沢山の資産を作れていたと思います。
資産運用は始めるのが早いほど有利です。
20代で資産運用を検討している方は素晴らしいです!参考までに私だったらどういう投資をするかを見ていってください。
今日の授業は20代から始める投資信託をテーマに授業をするよ!
- 20代におすすめのファンド
- 20代での理想的な投資金額
- 20代におすすめのポートフォリオ
- 20代から投資信託をするメリット
それじゃ、早速おすすめのファンドから紹介するね!
20代におすすめのファンド
20代におすすめのファンドは現時点ではズバリ『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』これ1本で十分です。
投資信託は分散投資が大切だということを当ブログ内で沢山書いてきました。
資産運用に興味がある方なら分散投資は当たり前という考えがあるかもしれません。
ですが、あえてこの1本で十分です。
その理由を次に紹介します。
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)だけで良い理由
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)はインデックス投資家に人気のバンガードトータルワールドストックETF(通称:VT)と似たような資産配分で運用します。
投資対象は株のみで対象地域の構成比はザックリですが 先進国:新興国 = 9:1 となっています。
VTと最も異なる点は、先進国に日本が含まれないことです。
個人的には日本への投資はあまり必要ないと思っています。
その理由は日本の未来に悲観的というわけではなく、多くの方が日本円で給料や退職金をもらい、日本円で年金を受給することになると思います。
つまり、外貨資産を持つことで日本円に偏った資産配分からリスク分散になると思っているからです。
投資信託は主に下記の金融商品や地域に分散投資するのが一般的です。
普通は債券も入れて投資するのが一般的ですが、私の考えではそうは思っていません。
なんで株にしか投資しないんですか?
株式のみの投資で良い理由
長期的に見ると債券よりも株式の方が運用成績が良いというのも理由の1つですが、そもそも債券とリートが不要なんです。
債券が不要な理由
債券は国の政策金利と連動して価値が決まります。
金利が下がれば下がるほど債券価値は上がります。
実際に日本でマイナス金利が導入されてからは日本債券の価値はグッとあがりました。
まずは、先進国と新興国の金利をよく見てください。
■2017年9月時点 各国の政策金利
新興国に比べて先進国は金利がとても低いですよね?
言い換えると、先進国はこれ以上は金利が大きく下がることが考えにくいということです。
そのため、将来的に先進国の債券を保有していても価値は上がりにくいと考えられます。
では、新興国の債券はどうかというと、たしかにこれから金利が下がる可能性があります。
ですが、新興国がなぜこんなに高金利なのかというと、諸外国からお金を呼び込むためです。
自国の通貨だけでは、国がやっていけないので外貨に頼ろうとしている現れです。(高金利だとお金を預けたくなりますよね?)
言い換えると、それだけ新興国は情勢が不安定で、もしかしたら経済破綻するかもしれません。
そうなると、せっかく投資した債券は紙くずとなり価値が1円もなくなります。
(※ 余談ですが、このような考え方を『債券不要論』と言います。)
下記の記事で外国債券不要論について詳しく紹介しています。偏った考え方なので、長期投資を目指すインデックス投資家全てにおすすめできる考え方ではないと思いますが、私自身は賛同しています。
⇒投資信託に債券は不要?外国債券不要論について
こうした背景から、新興国の債券は先進国よりも価値はあると思いますが、投資対象として不要と考えています。
それじゃ、日本国債はどうなの?
日本国債が不要な理由
日本国債はとても素晴らしいです。
かのリーマンショックで、各国の株や債券が大きく値下がりした中、ほとんど値動きがありませんでした。
不況にとても強いのが特徴ですが、大きく増えも減りもしない商品です。
また、多くの日本人は資産を日本円で保有しているので、外貨への分散も考えると日本国債への投資はおすすめとは言えません。
安全資産の1つとして考えても良いのですが、20代の若い方は現役で働く時間がたっぷりあります。
ハイリスク・ハイリターンの投資は若いうちにしかできません。(歳を取ってからでは何かあった時に取り返しがつかなくなります。)
円建ての資産は銀行預金だけで十分!若いうちはリスクを取っていきましょう!
債券がいらないのは分かったんですけど、リートもいらないんですか?
リートも不要な理由
不動産に投資するリートは株と同じような値動きをするので、両方を保有することは分散効果に繋がりません。
それに、アメリカを除く多くの先進国は将来的に人口が減っていきます。
戸建てやマンションなどは需要が減っていくのは目に見えています。
リートは商業施設などにも投資するので、一概に運用成績が減少傾向にあるとは言えませんが、少なくとも居住に関しては不利です。
人口が減るって事は労働者も減るから生産性が落ちて株も値下がりするんじゃないの?
アオイくんするどいね!そうなんだよ。人口の増減は企業の生産性に影響するから要注意だね!
なぜ人口が減る先進国株に投資するのか?
たしかにアメリカ以外の先進国は人口が減ってきています。
ですが、新興国の人口は年々増えており、地球規模で見ると人口増にあります。
VTの投資対象は先進国の株ではなく、全世界の株に投資するようになっています。
現時点では、経済的に新興国よりも先進国の方が豊なため、株式時価総額は先進国の方が高いです。
そのため、先進国の比率が高く設定されています。
ですが、人口減少につれて新興国に勢いがついてくると、全世界の株式時価総額は新興国のウェイトが高くなってきます。
こうなると、VTもeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)も新興国にもっと比重を置いて投資して、世界全体の株をカバーしようとします。
つまり、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)に投資していれば世界全体の経済情勢に応じて先進国と新興国へ勝手にバランス良く株の保有比率を変えてくれるってことです!
なるほど!だから、VTやeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)だけで良いってことなんですね!
なんでeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)がおすすめでVTじゃだめなの?
VTに投資をしない理由
VTはアメリカの上場投資信託です。
アメリカの上場投資信託を買うには、買付手数料や外貨へ換える為替手数料が発生します。
株価(基準価額)は現在1株約72ドルで、為替レートは1ドル約110円です。
10株からの購入になりますので、現在だと約8万円+手数料が必要ですので、ある程度まとまったお金が必要です。
他のブログを見ていると、手数料を考えて100万円単位で投資をする方が多いように感じます。
20代の若いうちは、何十、何百万というまとまったお金はないと思いますので、毎月の余剰金で少額積立ができる商品が現実的だと思います。
それに、つみたてNISAだと海外のETFには投資できないというのも大きな理由の1つです。
そうした観点からeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)は100円から購入可能なので給料がまだ少ない新入社員でも十分投資可能です。
どれくらいの利回りが期待できるのか?
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)に投資していれば、年間で6%前後の利回りが期待できます。
銀行の預金金利が0.001%程度の中、国内で6%も金利を出す銀行はないです。
もちろん、銀行と違って必ず6%の利回りがでるわけではなく、時にはマイナスになることもあるのが投資信託です。
闇雲に儲けようとするのではなく、そうしたリスクとリターンを検討した上で適切な金額を投資することも重要です。
じゃあ、20代なら金額にしていくらくらい投資すればいいんですか?
20代での理想的な投資金額
理想的な投資金額を考える上で、前提として何のために投資信託を始めるのかが肝心です。
今の私が20代の私に言葉を贈るなら、『投資信託でとにかく儲けたい!ではなく、老後を見据えて投資を考えなさい。』と言いたいです。
大学を卒業した20代前半では老後のことなんて検討もつかないかもしれませんが、いつかは結婚して、子供が生まれて、マイホームやマイカーを買って、老後は夫婦二人で田舎暮らし・・・。
そんな漠然とした未来で良いので描いてみて下さい。
そうすると、『プロフィール』でも紹介しましたが、定年退職してから人生が終わるまで3000万円も足りない事実に気づきました。
現在20代前半で、定年を60歳とすると40年程度をかけて3000万円を貯める必要があります。
人によっては3000万より多かったり、少なかったりすると思いますが一般的に老後にそのくらい必要と言われています。
老後に3000万が必要な理由として、老後の生活費、退職金、年金の一般的な額について下記の記事で紹介しています。気になった方はご参照下さい。
⇒確定拠出年金の割合でおすすめは?自分に合った資産配分の見つけ方!
20代からなら毎年100万円貯められれば老後の資金は確保できそうですが、なかなかそうはいかず、結婚して家を買ったり子供が産まれると更に貯めにくくなります。
そうした長期的にまとまったお金を貯めるには投資信託は最適です!
先ほどの章では20代は『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』の一択と伝えました。
あとは、そのファンドに毎月いくら投資するかを考えていきましょう!
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)にいくら投資すべきか?
eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)が指標とするインデックスはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算ベース)です。
こちらのリスクとリターンは次の通りです。(2019年2月4日時点)
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 15年 | 20年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
リターン | -12.1% | 3.8% | 5.6% | 12.5% | 7.1% | 5.0% |
リスク | 17.5 | 15.6 | 15.4 | 18.3 | 19.1 | 18.8 |
このファンドが長期投資でどのくらいのリターンが期待できるかが上記の表から分かります。
基本的には最長期間で見るのが良いので、この場合は20年のリターンである5.0%が期待リターンになります。
合わせて、20年のリスクが18.8ということを考えると、95%の確率で-32.6%~42.6%の間に損益がおさまります。
リスクとリターンの関係からそのファンドが将来的にどのくらいの利益(損失)を出すかの計算方法は過去の記事で紹介しています。気になる方は参考してみて下さい。
⇒投資信託で損したら何割失う?損した場合はどうすべき?
仮に現在23歳で、60歳の時点で3000万円必要だとします。
投資期間は37年、eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)の期待リターンは5.0%です。
これを私が作った計算ファイルに当てはめると毎月23,500円の積立で3000万円貯まることが分かります。
計算ファイルはこちら
下記の記事にて計算ファイルの使い方を解説しています。インデックス投資の始め方から売り方までも書いていますので、合わせて参考してみて下さい。
⇒インデックスファンドで積立投資!始め方から売り方の7STEP
このファイルを使ったら毎月いくら投資に回したら良いか金額がすぐに計算できますね!
毎月2万円程度なら20代の私でも積立はできました。多くの方もそこまで無理なくできる金額ではないでしょうか?
20代におすすめのポートフォリオ
今回紹介したファンドは株式100%の投資で、対象地域は 先進国(除く日本):新興国=9:1 です。
私はこれだけで十分だと思うのですが、人によってはポートフォリオに債券も入れて運用を考えている方もいらっしゃるかもしれません。
最初の方でもお伝えした通り、何かあっても挽回できる若いうちはハイリスク・ハイリターンを狙うべきです。
もし債券を入れたいのであれば、一般的に言われている事があります。
現在25歳なら、株に75%、残りの25%を債券に投資するのが理想というものです。
株に関してはこれまで紹介してきた『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』への投資で十分です。
債券に関しては、最もハイリスク・ハイリターンなのは新興国債券ですので、20代の若いうちはこちらを組み入れると良いと思います。
もしくは、貯金感覚で大きく増えも減りもしないですが、初めは手堅いものをと考えて日本国債に投資するファンドでも良いと思います。
ちなみに両ファンドのおすすめは次の通りです。
新興国債ファンド:iFree新興国債券インデックス
日本国債ファンド:eMAXIS Slim国内債券インデックス
債券をポートフォリオに入れたい方は参考までに。(※今後、eMAXIS Slim新興国債券インデックスというのが出れば、新興国債券はそちらの方が良いかもしれません。)
新興国債券や日本国債に投資するファンドだけでも数十あり、いざ選ぼうとしてもどれにしようか迷うと思います。そんな時は下記の記事でファンドの選び方を参考してみて下さい。
⇒投資信託は運用実績で比較しよう!ファンドの絞り込み方を紹介するよ
20代から投資信託をするメリット
投資信託は投資期間が長いほど有利です。
有名な話ですが、アインシュタインが人類最大の発明は『複利の効果』と言ったそうです。
歳を取ってからまとまったお金を短期間運用するのではなく、若いうちから少額でも長期間運用した方が複利の効果は大きくでます。
これまで老後の資金の話をしてきましたが、10年後に家を買うという目標でも構いません。
どんな目的で投資をするにしても、早く始めた分だけ複利の恩恵をたくさん受け取れます。
あと、経済にもとても感心が持てるようになります。
私の場合ですが、投資を始める前は世界経済や政治には全く感心がありませんでした。
ですが、投資を始めると、政治や経済にとても敏感になります。
これは、社会人として損をする知識ではないはずです。
あと、営業の方だと取引先の相手で投資に詳しい人もいます。
そうした方は投資トークが大好きなので、営業成績に繋がるかもしれません。
投資信託を勉強すると資産が増えるだけでなく、政治経済の知識も増えてくるので仕事にも役立つかもですよ!
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 20代におすすめのファンドは『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』
- 20代はハイリスク・ハイリターンを狙うべき
- 20代の投資信託に債券ファンドは不要
- 投資金額は目標とする投資期間に合わせて設定する
- 若いうちから投資をすると複利の効果をたくさん受けられる
もし自分が20代の若い頃に戻れるならという観点で記事を書いてみました。
実際にはそれは無理なので、自分の子供たちにこの記事を見せて、こうした考え方で投資を始めるように薦めたいと思っています。
最後にeMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)がおすすめのもう1つの理由として、eMAXIS Slimシリーズは類似ファンドの中で信託報酬料を最安値水準にするという方針があります。要するに、インデックス投資において最重要視される信託報酬料が常に安いファンドになるという意味です。
今回紹介したような理由から若い方で投資を始めたい方に『eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本株)』をおすすめします!