アメリカ株に投資するファンドって、楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式(S&P500)が良さそうなんですけど、どっちが良いんですか?
両者とも大差はないけど、私ならeMAXIS Slim米国株式の方を選ぶかな!
アメリカ株への長期投資が最適解だ!そう思っている方は少なくありません。
その議論は置いといて、米国株式に投資しようと思ったら必ず目にする投資信託は楽天VTIとeMAXIS Slim米国株式の両ファンド。
信託報酬料だけ見ると、僅かながらに楽天VTIが良さそうですがリターンや他のコストも気になる所です。
今日はこの両者のファンドを比較していくよ!
両者のファンド概要について
楽天VTI(楽天全米株式インファンド)とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)どっちが良いのかを紹介していきます。
その上で、両者の異なる点を中心にまとめていきます。
『楽天VTI』
インデックス:CRSP USトータル・マーケット・インデックス(配当込)(円)
※米国市場の小型~大型株の全銘柄(約4000銘柄)、市場の約100%をカバー
信託報酬料:0.1596%
『eMAXIS slim米国株式』
インデックス:S&P500(配当込)(円)
※米国市場の大型株500銘柄が対象 市場の約80%をカバー
信託報酬料:0.162%
両者ともに購入手数料、売却手数料(信託財産留保額)は係りません。
こうして見ると、投資対象(インデックス)と維持手数料(信託報酬料)の違いで、どちらが良いかを検討できそうです。
投資対象の違い
端的に言うと、楽天VTIはアメリカの全ての株を買うファンド。
eMAXIS Slimはアメリカの大企業500社の株を買うファンド。
このように言えるかと思います。
日本で言うTOPIX(東証一部上場の企業が対象)か日経平均株価(日経新聞社が選ぶ225銘柄)の違いのようなものです。
では、アメリカ全体に投資をするのか、アメリカの主力企業を中心に投資するのか、どっちが良いかを過去のリターンから見ていきます。
CRSPとS&P500を比較
上記は2019年6月末時点での配当込み、円換算ベースのリターンとリスクの差を見ています。
S&P500とCRSPを直接比較できたら良かったのですが、CRSPのデータが見当たりませんでした・・・。
代わりに、楽天VTIが投資する本元のバンガード社のVTIをCRSPとして、同じくバンガード社のS&P500に連動するVOOとで比較してみます。
両者の経費率は共に0.05%なので、コストによる運用リターンの差は変わらないものと考えます。
こうして見ると、僅差ですがVTIよりもVOOの方がリターンが高く、リスクが低いと言えます。
つまり、楽天VTIよりもeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の方がリターンが高く、リスクが低い良いファンドと言えます。
運用リターンはeMAXIS Slimの方が良さそうだけど、信託報酬料は楽天VTIの方が安いよね?
コストの事まで考えたら、どっちが良さそうかな?
コスト面で比較
繰り返しになりますが、信託報酬料を再度紹介します。
楽天VTI:0.1596%
eMAXIS Slim米国株式:0.162%
信託報酬料だけで見ると、楽天VTIの方が僅かながらに有利です。
でも、投資信託を比較する上で忘れちゃいけないのが『隠れコスト』です。
投資信託は売買手数料と信託報酬料以外にも、隠れコストと呼ばれる表向きには表記されていないコストが存在します。コスト比較をする際はこれらを加味する必要があります。
⇒投資信託にかかる手数料の目安は?運用成績を少しでもあげるために
では、投資信託の維持手数料に当たる信託報酬料と隠れコストの合算(実質コスト)がいくらになるかを比較してみます。
隠れコスト(実質コスト)はそれぞれの運用報告書を参考にしました。
信託報酬料は楽天VTIの方が安かったのですが、隠れコストまで加味するとeMAXIS Slim米国株式の方が安いという結果でした。
ってことは、リターンもリスクもコストもeMAXIS Slimの方が良いってことだね!
そうですね!ただ、実質コストは毎回変動するからコストにこだわるなら年に1回出る運用報告書を照らし合わせると良いと思います!
今日の授業を動画で復習
まとめ
- リターン・リスク共にeMAXIS Slim米国株式の方が良い
- 実質コストまで考えるとeMAXIS Slim米国株式の方が良い
- 過去の運用成績から考えると楽天VTIよりもeMAXIS Slim米国株式が有利
過去200年の米国株の歴史を振り返ると、ずっと右肩上がりで成長しています。
かのウォーレン・バフェットも自分が亡くなったら、妻に遺産でS&P500に投資するように言ってるそうです。
個人的には米国株式に投資するだけで、ある程度勝ち組の気がしますが、今回のファンド選びの基準がそれをより強固にできるものであれば幸いです。
あくまで私なら楽天VTIとeMAXIS Slimなら後者を選ぶという結論でしたが、投資判断は自己責任でお願い致します。
キリコさん、
いつも楽しく拝見しております。
積み立てNISAを夫婦で楽天VTI、確定拠出年金を世界分散インデックス株投資でやっております。
現在余剰資金が1500万ありますが、分散投資と一括投資と2つの考えがあります。
私の投資戦略にあたっての前提条件は下記です
・15年以上の長期保有(過去のデータから必ずプラスサムゲームになる)
・今後15年は米国が世界最強であり続ける
よって、下記を考えております。
・1500万円を投資するのは「今でしょ」
・投資対象はVTI
・毎月給与で発生する種銭20万円をVTIに追加
投資はNISA含め初めたばかりのド素人です。
上記戦略で問題ないか、なにかアドバイスあればよろしくおねがいいたします。
こんにちは!
いつも動画やブログのご視聴ありがとうございます。
お返事が遅くなってすいません。
仰っている『前提条件』や『お考え』が期待通りにいけば全く問題ないと思います。
ただ、下記の点に対するご理解がある事が前提かと思います。
・15年以上の長期保有⇒私も長期保有で元本割れのリスクは大きく低減できると思っていますが、長期保有は必ずしもプラスになるとは限らない。(マイナスになってしまった場合の対応策はあるか(就労期間の延長など))
・今後15年は米国が最強⇒私もそう思いますが、もし米国に万一があった場合の対応策はあるか?(就労期間の延長など)
・1500万を投資するのは「今でしょ」⇒一括投資か分割投資か。個人的には一括投資が良いと思っています。ただ、一括投資後に大暴落してもメンタル面で折れない心を持つことが大切
・投資対象はVTI⇒個別銘柄の評価は控えさせてください。すいません。ただ、投資する際に実質コストが最安値のファンドであれば良いと思います。
・毎月20万円をVTIに投資⇒一国集中のリスクを取れるなら良いかと思います。(私は分散投資派です。)
上記に加えて、下記の2点が運用をする上で個人的には特に大切だと思います。
・運用期間・目標金額を決めて、投資対象がそれに沿った利回りになっているか。
・生活防衛資金(毎月の生活費の6ヶ月程度)は安全資産(銀行預金など)に残しているか。
特に運用を始めたばかりとのことで、一括投資によるメンタル面がちょっと心配です。
今年の7月末頃に1500万投資していれば、8月中旬頃には-150万くらいになっていたはずです。
現時点だと-30万くらいになっていると思われます。
こうした状況下においても折れない心を持ち続けられる事が大切かと思います。