平均貯蓄額は1000万円ってデータを見たんですけど、そんなに沢山できているものなんですか?我が家はもっと少なそう・・・。
こんにちは!お金の学校のキリコです。
平均貯蓄額、平均年収など金融統計データを見て自分の世帯と比べると、悲しくなる事ってありますよね。
でも、見たデータは平均値ですか?中央値ですか?最頻値ですか?
データのとり方次第で金額は変わってきますので、何を参考にすれば良いのかを紹介していきますね!
結論から言うと、金融統計データに関しては中央値や最頻値を参照すべきで、平均値はあまり参考にならないと思います!
You Tubeでも紹介していますので、通勤中や寝る前など聞き流したい方は動画をご視聴下さい。
金融統計データに使われる3つの値
平均年収、平均貯蓄額などの金融統計データを算出する時は主に3つの値が使われます。
- 平均値
- 中央値
- 最頻値
紹介されているデータが上記の内、どれを使って調べたかによって、その金額は随分と変わってきます。
これらの違いについて1つずつ紹介していきます。
平均値と中央値の違い
平均値は馴染み深いので紹介するまでもないと思いますが、全体の合計額から調査対象の人数で割ったものです。
上記の例だと、2200万円が平均値になります。
対して中央値は調査対象で金額が少ないもの順に並べた場合の真ん中に来た人の値を指します。
上記の例であれば、300万円が中央値になります。
一部の人が飛び抜けた金額になっていると平均値は高くなる点に注意が必要です。
最頻値とは?
一方で最頻値という手法で求められる事もあります。
最頻値は調査対象の中で最も多く登場した値を指します。
どのデータを参考にすれば良いの?
平均年収や平均貯蓄額を自分と比較するときは、平均値だと一部の高収入世帯が金額を引き上げてしまいますので、世間一般と比べてみたい時は、最頻値や中央値が理想です。
私自身、よく色々なデータを目にしますが、平均値、中央値、最頻値の中で、最頻値が最も紹介されている機会が少なく、実質の所は中央値で見る事になろうかと思います。
実際に色々な角度から平均貯蓄額を見てみよう!
ここからは平均貯蓄額を例に平均値と中央値で、どの程度の差があるのかを見ていきます。
紹介するデータは次の3つです。
- 年代別
- 年収別
- 職業別
ここからは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査」[二人以上世帯調査](2016年/平成28年)のデータの実例を挙げて紹介していきますね!
年代別の平均貯蓄額
全年代の平均値で見ると貯蓄額は1000万円以上となっていますが、中央値で見ると400万円と平均値よりも少なくなっています。
20代においては、平均値は184万円に対して、中央値は0円となっていて、20代の多くの半数以上の世帯は貯蓄できていない事が伺えます。
年収別の平均貯蓄額
年収別で見ると、年収が高くなるにつれて貯蓄額の平均値も中央値も上がっていますが、やはり年代別の時と同様に中央値の方が平均値よりも低くなっています。
中央値というのは繰り返しますが、調査対象を低い順に並べた時の真ん中の人の値になりますので、半数以下の方が中央値以下の貯蓄額である事になります。
職業別の平均貯蓄額
続いて職業別の平均貯蓄額を見ると、職種によって大きく開きがありますが、平均値と中央値の乖離が大きい職種があります。
例えば、医療福祉で見ると、平均値は1,067万円に対して、中央値は387万円となっています。
これは想像ですが、医師の年収が高く平均値を上げていることが原因かと考えられます。
まとめ
- 平均値:合計額を調査対象の人数で割ったもの
- 中央値:調査対象を低いもの順に並べた真ん中の人の値
- 最頻値:調査対象で最も多かった値
- 平均値よりも中央値・最頻値が実態に近い
以前に紹介した老後2000万円問題の2000万円も平均値によるものです。
老後に2000万円不足するという話を受けて、愚痴を言ってる暇があるなら、その本質を考えて、ライフマネープランの作成、収支の改善、資産運用の検討をしてみてはいかがでしょうか。...
平均貯蓄額、平均支出額、平均寿命から不足する平均額を算出しています。
中央値で見るともっと多い金額になるかもしれません!
データを見るときは鵜呑みにしないこと、なるべく中央値、最頻値で見る事が大切だと思います。