運用リターンが良いファンドに投資しようと思うんですけど、何か注意点ってありますか?
運用実績はリターンだけじゃないから、それだけを見て投資するのは控えた方良いわよ!
投資信託を始めるには、値上がり率やリターンの良いファンドに投資するとこの先もずっと儲かりそうな気がします。
間違ってはいませんが、それだけを頼りに投資すると失敗する可能性もあります。
そもそも運用実績はリターンだけでなく様々な項目があります。
投資信託を選ぶにはそれだけでなく、他の項目も見た上で検討しましょう!
今日の授業は運用実績の見方について紹介するね!
- 運用実績の見方
- 運用実績ランキングは参考にならない?!
リターンだけを見ない
その他の重要な項目
証券会社と個人投資家のランキング
ランキングから分かること
それじゃ、ファンド選びに重要な実績の見方から紹介します!
運用実績の見方
リターンだけを見ない
冒頭でも紹介しましたが、運用実績を見る上でリターンだけに注目していては投資が失敗する可能性が高くなります。
運用実績というと、楽天証券、野村證券など様々な証券会社で下記のような実績が公開されています。
特に注目して欲しいのはリターン(年率)とリスク(年率)です。
【リターン】
1年で14.33とあります。これはそのファンドに過去1年間投資していれば年利14.33%のリターンがあったことを意味します。
重要なポイントとして、期間をなるべく長いスパンで見ることです。
経済情勢のタイミングでリターンは大きく左右されるため、長期間で見た方がこれからの投資をする上でその数値の信憑性は高まります。
【リスク】
1年で25.74とあります。これは、リターンと合わせて下記の式に当てはめて使用します。
=14.33 ± 25.74×2 = -37.15% ~ 65.81%
この式は、このファンドに1年間投資すると95%の確率で-37.15%~65.81%の間でリターンが期待できるという意味になります。
リスクに関してもリターンと同様に最長の期間で見た方が良いです。
証券会社によっては、上記のように5年までしか表記されていない所もあれば10年以上の運用実績を紹介している所もあります。
ファンドのデータを詳しく調べるなら、モーニングスターで調べると詳細が分かります。
つまり、リターンが高くてもリスクが高いと思ってた以上に儲かる事もありますが大損する可能性もでてきます!
リターンだけじゃなくて、リスクも見た上でファンドを選べってことだね!
その他の重要な項目
リスクとリターンを見るだけでファンドを選んでも構いませんが、それ以外にも重要な項目は沢山あります。
私の場合、『シャープレシオ』も参考にしています。
一言で言うと、ファンドの優秀さを表しています。
高ければ高いほど優秀なのですが、私の場合は0.5以上を基準に見ています。
この他にもトラッキングエラー、相関関数なども重要視しています。
特に日経平均やTOPIXなどの指標に連動するインデックスファンドに投資する場合は、そこからのズレの大きさ、リターンの信頼性などが分かります。
各項目の詳しい解説は下記の記事で紹介しています。どの項目もファンド選びで知っておいて損はないと思うので参考にしてみてください。
⇒投資信託の銘柄の選び方は?データを良く見て探してみよう!
一つ一つのファンドを見るのって、面倒くさいな・・・。ランキングとかを参考にしちゃダメなの?
参考程度なら良いけど、ランキング上位にとりあえず投資!ってのはオススメできないよ!
運用実績ランキングは参考にならない?!
楽天証券、野村證券と言った証券会社だけでなく、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行などの銀行でも投資信託のランキングは公開されています。
どこの銀行や証券会社から投資しても同じファンドのはずなのに、ランキング上位のファンドもあればランク外のものもあります。
これって何でだか分かりますか?
- 銀行や証券会社によっては取り扱ってないファンドがある
- 銀行や証券会社が力を入れているファンドが異なる
これらが理由として考えられます。
①の取り扱いがないからランキングにも表示されず、各銀行・証券会社のランキングにバラつきがでるのは当然かもしれません。
あなどれないのは、②の力を入れているファンドが異なるという点です。
銀行や証券会社の営業マン、ホームページの宣伝などで『◯◯ファンドがオススメです!』と言われると、ついつい興味がでて、購入してしまう方も少なくないと思います。
銀行や証券会社には売りたいファンド(=手数料が高くて会社が儲かるファンド)があります。
ですので、ランキングは鵜呑みにしない方が懸命です。
実際に、個人投資家が選んだファンドと銀行や証券会社のランキングを比べてみましょう!
証券会社と個人投資家のランキング
さっそく、2017年8月の各証券会社・銀行の買付ランキングを見てみましょう!
■2017年8月買付ランキング
※個人投資家のみ(2016年末のファンドオブザイヤーを参照)
楽天証券と個人投資家のランキング以外で面白い情報が見えてきます。
野村證券の上位3つのファンドの運用会社は『野村アセットマネジメント』
みずほ証券は『アセットマネジメントOne』
三菱東京UFJ銀行は『三菱UFJ国際投信』
どれも、自分の会社の系列が運営しているファンドです。
楽天証券はネット証券なので店舗がないため営業マンによる売り込みがないので、運用会社もバラバラでランキングは信用できそうです。
個人投資家のランキングはファンドオブザイヤーというブログを運営している毎年個人投資家が選んだものです。
もし、私がランキングのみでファンドを選ぶなら、会社の息がかかっていないファンドオブザイヤーのランキングを参考にします。
毎年11月に投資信託に関するブログを運営している方が投票形式でファンドのランキングを決めるものです。
過去の結果は下記の記事内にて紹介していますので参考にしてください。
⇒投資信託ランキング!一番おすすめのファンドはどこ?
ランキングから分かること
一言で言うと、『ランキングは当てにならない!』これにつきます。
そもそも、証券会社や銀行が売りたいファンドが上位に来ているので、そのファンドが私達個人投資家にとって利益がでるのかなんて極端な話どうでもいいんです。
個人投資家にどれだけ売買させて、手数料分の利益を儲けるかが彼らのポイントです。
ですので、ランキングは当てにしないこと!
また、投資スタイルによっても参考にすべきかどうか考えないといけません。
短期売買を目標にしている方であれば、直近の世界情勢の見通しからファンドを購入すると思います。
一方で長期投資をする方であれば、私のようにインデックスファンドでコツコツ積立をしている方が多いと思います。
そうした投資スタイルの違いはランキングには掲載されていませんので、こうした理由からもランキングは当てにならないと言えます。
私のようにインデックスファンドでコツコツ積立投資をするなら、ランキングに頼らずとも自分に合ったファンドを見つける方法があります。これから投資信託を始めようという方はぜひ参考にしてみてください。
⇒インデックスファンドで積立投資!始め方から売り方の7STEP
まとめ
- 運用実績のリターンだけでファンドを選ばない
- 運用実績のリスクも参考にすべし
- シャープレシオなどの他の数値も参考に
- 証券会社・銀行のランキングは当てにならない
調子の良いファンドを見つけると、ついつい投資したくなりますがリターンだけに注目せずにリスクやその他の項目もチェックしましょう!
特に半年などの短期のリターンに注目すると、たまたま今が調子が良いだけで以降も同じような結果がでるとは限りません。
今回紹介した内容や、過去の記事のリンクを参考に自分に合ったファンドを探してみて下さい!