投資信託のトータルリターンってどうやって計算されてるの?
利益だけじゃなくて手数料とか税金とかも入ってるのか気になるよね!
2014年12月1日から日本証券業協会によって投資信託のトータルリターン通知制度が始まりました。
自分が保有しているファンドのトータルリターンが年に1回は通知されるようになります。
ファンドが儲かってるのかどうかはトータルリターンや評価損益などで表示されますがどこがどう違うのか・・・。
今日の授業はトータルリターンについて紹介するよ!
- トータルリターンとは?
- 手数料や税金は関係するのか?
- 評価損益との違いは?
- トータルリターンの平均はいくら?
それじゃ、早速はじめるよ!
トータルリターンとは?
投資信託のトータルリターンは投資したファンドがどれくらい儲かったか?また、保有しているファンドの全てを合計してトータルで儲かったか?が分かるものです。
では早速、年に1回交付されるトータルリターン通知書を具体的に見ていきましょう!
数年前の私のトータルリターン通知書です。
(保有ファンドは今と全く違います(^o^;))
続いてそれぞれの項目について紹介していきます。
各項目の見方について
それぞれの項目の見方は下記の通りです。
A 現在の評価額(保有口数)
保有口数と計算した時の基準価額から、いくら相当の金額を保有しているのか
B 累計分配金額
トータルで受取った分配金の合計額
分配金の再投資や税金を考慮した額が掲載されているかは証券会社によってマチマチ
C 累計解約金額
手数料を加味した一部解約、全部解約したファンドの合計額
(※解約手数料がかかるファンドはほとんどないです。)
D 累計買付金額
手数料を加味した買付金額の合計額
トータルリターン
上記A+B+C-Dの合計額(儲け額)
大体こんな感じでトータルリターンは計算されます。
もう少し分かりやすく図で書くとこんな感じです。
ただし、累計分配金額に関しては分配金の再投資の有無や税金を加味するかが証券会社によって表記の仕方がマチマチなんです・・・。
例えば、分配金の再投資額をBの累計分配金額に含むケースと含まないケースだと、、、
- 再投資した累計分配金額を含む場合は、Dの累計買付金額にもその額が追加されています。
- 再投資した累計分配金額を含まない場合は、Dの累計買付金額にもその額が追加されません。
また、分配金には課税対象となる普通分配金と、非課税の特別分配金があります。(両者の違いは「投資信託の分配金の仕組みを知ろう!どこからお金が出ているの?」を参照ください。)
そもそもBの累計分配金額には税引き後の額が記載されていますが、証券会社によっては税引き前が記載されるケースもあります。
証券会社によってはトータルリターンの細かな表記方法には若干違いがあるってことです!
詳しくは『証券会社名 トータルリターン』で検索すると、自分が利用している証券会社はどういう方式でトータルリターンを通知しているかが分かりますよ!
税金や手数料も関係するのか?
これまでに紹介した通り、トータルリターンの金額には手数料が考慮されています。
また、上の方で書いた通り、基本的には税金を引いた分配金の合計額も関与してきます。
ファンドをNISAや確定拠出年金で投資していた場合は非課税で運用できるので、分配金や運用益に対して税金はかかりません。
ですが、一般口座や特定口座にて運用していた場合は20.315%の税金がかかります。
つまり、トータルリターンの満額が手元に残るわけではなくて、そこから20.315%の税金を考慮する必要があります。
利益にかかる税金だから、マイナスリターンなら気にしなくていいですよ!
ややこしい話ですが、実際に支払う税金額に関してはトータルリターンの金額ではなく、後で紹介する評価損益から算出します。
騰落率や評価損益との違いは?
トータルリターンって騰落率とか評価損益とどう違うんですか?
利益がでてるかどうかの指標が多くてややこしいよ!
自分は今どれくらい儲かっているのか?指標が多いとどれを参考にしたら良いのか困りますよね。
簡単に利益の指標についてまとめてみます。
トータルリターン:分配金と売買手数料も考慮した上での損益の額
評価損益:分配金を含めた損益の額(売買手数料は除外)
騰落率:分配金を含めた損益の割合(手数料は除外)
トータルリターンは手数料まで考えているから実際の設け額に近いってことだね!
トータルリターンの平均はいくら?
投資信託におけるトータルリターンの平均はファンドによってバラバラです。
当ブログ内で何度もお伝えしているように、インデックスファンドに投資した場合の平均利回りは4%~6%程度です。
100万円の投資で1年間に5万円前後の利益が期待できます。
トータルリターンで考えても、インデックスファンドの場合は
- 売買手数料が無料
- 信託報酬料を加味して5%前後の利回り
- 分配金は基本的にでない
これらを考えると、トータルリターンの平均も100万円の投資に対して5万円前後と考えられます。
銀行に預けているよりも利益は期待できそうですね!(もちろん損することもあると思うけど。)
すっげー儲かるファンドだったらどのくらいのトータルリターンがあるのかな?
トータルリターンランキング
2018年12月31日時点で、リターン(1年)が最も大きいファンドをランキング形式で紹介します。
■ファンド リターン(1年)ランキング(2017年10月31日)
リターン(1年) | |
---|---|
1位 国際のETF VIX短期先物指数 | 72.06% |
2位 ダイワ 上場投信-TOPIX Wインバース(-2倍) | 25.52% |
3位 TOPIXベア2倍上場投信 | 25.14% |
4位 ダイワ 上場投信-TOPIXインバース(-1倍) | 13.72% |
5位 TOPIXベア上場投信 | 13.56% |
ブル:ウシが角で突き上げるイメージ。株価が上昇すると大きく基準価額が上がる。
ベア:クマが手を振り下ろすイメージ。株価が下落すると大きく基準価額上がる。
上記のランキングはリターン(1年)の結果です。
トータルリターンはそこから売買手数料を加味しないと分かりませんが、手数料は証券会社によって異なることもあるので、トータルリターンでの正確なランキングは分かりません。
ざっくりですが、1位のファンドに1年前に100万円投資したら、約172万円となり、リターンは+72万円ほどとなります。
すげー!1,000万円投資したら1,720万円になったってことでしょ?!サラリーマンの平均年収以上あるじゃん!
でも、逆にトータルリターンがマイナスになることもあるから気をつけてね!
投資信託は元本保証の金融商品ではないので、マイナスリターンになることもあります。
その時は、、、
- じっと耐えて回復を待つ
- 売却して損失拡大を防ぐ
- 追加投資して損失を薄める
どれかを選択することになります。
マイナスリターンになって困っている方に向けて、その対処方法や売り時について下記の記事で紹介していますので、参考にしてみてください。
⇒投資信託がマイナスの評価損益に!どうすればいい?
⇒投資信託の買い時や売り時はいつ?失敗しないタイミングを紹介!
まとめ
- トータルリターンは手数料を加味した実際の儲けを指す
- 税金は評価損益を基準に算出される
- リターン平均はインデックスファンドで5%前後
投資信託のトータルリターンはサラリーマンでいう年収のようなものです。
そして、実際の手取りは、給料と同じく税金が引かれます。
投資信託の場合は利益に対して20.315%の税金(住民税と所得税)がかかるので、この点を考慮する必要があります。
トータルリターンについて正しく理解して正確な利益を把握しましょう!
「お金の学校」では、投信のトータルリターン算出に当たっては、「累積買付金額」の中に「買付手数料」も考慮されると明記されております。ところが、私が取引しておりますSMBC日興証券の場合、買付金額は「お支払いいただいた買付金額の累計金額です」と説明されており、実際にも買付手数料が差引かれていないようです。証券会社によって、計算方式が異なるのでしょうか。お教えください。
ブログへのご訪問ありがとうございます。
ご質問の件ですが、トータルリターンの通知に記載がある累計買付金額に買付手数料が含まれるかどうかですが、日本証券業協会の『投資信託等のトータルリターンの通知制度導入に係る協会員の投資勧誘、顧客管理等に関する規則」の一部改正について』の4ページ目に、「累計買付金額=買付金額の累計」、「買付金額=約定代金+販売手数料+販売手数料に係る消費税額」と明記されております。
今、お取引されているSMBC日興証券にて『「投資信託等のトータルリターン通知制度」の開始および電子交付サービス対象書面の追加について』のページを確認したところ、ページ最後の方に「※一部、トータルリターンの算出対象外となるお取引や対象外となる銘柄があります。」と文言があります。
もしかしたら、仰る通り、証券会社によって算出方法が異なるのかもしれませんし、推測にはなりますが、保有していた投資信託が、上記の注釈の通り算出対象となる取引に該当するのかもしれません。
ちなみに私が保有している楽天証券では『投資信託のトータルリターンとはなんですか? 【ID:2412024】』に記載がある通り、買付金額に買付手数料と買付手数料に係る消費税が含まれるとされています。
正式な回答ができず申し訳ありませんが、詳細はSMBC日興証券に確認された方が良いかもしれません。力不足で申し訳ありません。
気になったのでSMBC日興証券に問い合わせをし、下記の回答がありました。
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お問合せのトータルリターンの計算に関してご案内いたします。
累計買付金額は「投資信託のお買付のためにお支払いいただいた金額」を
表しますので、買付け時にお支払頂いた手数料も含まれております。
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上記の文面通り、買付け手数料を含めたトータルリターンになっているようです。
詳細に関しては、個別で証券会社に問い合わせをされた方が良いかもしれませんね。
トータルリターンの考え方について質問があります。
インデックスの投資信託の平均リターンは4~6%という話をしていかと思いますが、
その場合100万円を投資したら4~6万円増えることだと考えておりました。
そう考えた場合、一年のトータルリターンが143%ということは100万円投資したら243万円
になっており、+143万円になるということではないのでしょうか。
トータルリターンの計算の仕方がよくわからなかったため、的外れの質問であれば申し訳ありません。
ご質問ありうがとうございました。また、解説の仕方が悪くせっかくご理解頂いていた内容をややこしくしてしまい申し訳ありませんでした。
記事を見直してみて、表記に誤りがあることに気づきました。仰って頂いた通りの理解で間違いありません。
記事内のファンドリターンランキングを更新し、内容も訂正しました。ご指摘ありがとうございました。