毎月分配型のファンドって危ないからやめた方がいいよ!って聞くけど本当なんですか?
私個人としては好きじゃないけど、一概に悪いファンドとは言えないと思いますよ!
毎月分配型のファンドって毎月お金がもらえてお得や充実感があってとても良さそうに見えます。
『投資信託の分配金で月20万あったら不労所得生活できるか徹底検証!』の記事内で書きましたが、投資額が大きければ理論上は分配金だけで生活も可能です。
ですが、世間一般の評判はあまり高くなく、危ない!やめとけ!だまされるな!といったものが多いように感じます。
今日の授業は本当に毎月分配型は危ないのか?真偽を検証してみます。
- なぜ毎月分配型は危ないと言われるのか?
- 毎月分配型が危ないというのは単なる風評被害?
毎月分配型に投資中の方、検討中の方の参考になれば嬉しいです。
なぜ毎月分配型は危ないと言われるのか?
なぜ毎月分配型が危ないと言われているのか、書籍やネットで言われていることや私の考えも交えてまとめます。
- 手数料が高くコスト負けする可能性が高い
- 銀行や証券の営業マンが売り込んでくるファンドの大半が毎月分配型だから(営業成績欲しさに売りつけてきて怪しい)
- 分配金額が減額されることがある
- 特別分配金を出している
色々な理由があるんですね~。これって全部本当なんですか?
それじゃ、1つずつ真偽を検証していこうか!
①手数料が高くコスト負けする可能性が高い
毎月分配型のファンドは信託報酬料(維持手数料)が高いのは事実です。
信託報酬料が安いファンドとしてインデックスファンドが挙げられますが、毎月分配型のインデックスファンドは年1回型と比べても手数料は高いです。
◆Jリートのインデックスファンド手数料(毎月分配型・年1回型)
上記に挙げたJリートのインデックスファンドは楽天証券で取扱があるものを選びました。
毎月分配型のJリートインデックスファンドは4つしかなく、年1回型はいくつかあったので楽天証券内の売れ筋4つを取り上げました。
どちらも東証REIT指数に連動する動きを目指すファンドですので、投資対象はほぼ同じのはずです。
ですが、信託報酬料(維持手数料)は毎月分配型は0.7%程度、年1回型は0.27%程度と2.5倍くらいの差があります。
加えて、毎月分配型の方は購入手数料や信託財産留保額(売却手数料)が掛かるものもあります。
このように、目標とする指標は同じにも関わらず、上記のように明らかに手数料は高いです。
まして、アクティブファンドの毎月分配型になるとなおさら手数料は高くなります。
投資信託にはインデックスファンド(パッシブ運用)とアクティブファンド(アクティブ運用)と呼ばれる2種類のファンドが存在します。前者はTOPIXや日経平均株価などの指数に沿った運用を目指すファンドで、後者はその指数以上の運用成績を目指すファンドです。詳しくは下記を参照ください。
⇒パッシブ運用・アクティブ運用を比較!どっちがおすすめなの?
手数料が高いのってそんなに悪いことなんですか?
手数料が高くてもパフォーマンス(リターン)が良ければ問題ないと思います。
ですが、リターンが高くないファンドが多いのが実情です。
◆Jリートのインデックスファンド リターン(毎月分配型・年1回型)
リターン平均は全ての毎月分配型のJリートインデックスファンドが平均値よりも下回っています。
このリターンは分配金を再投資したと仮定して算出しています。もし、分配金を受け取っていたら複利効果が働かずもっとリターンは下がる計算になります。
すべての毎月分配型のファンドがパフォーマンス負けしているとは言えないですが、人気のファンドでも年1回型のファンドに運用成績は負けています。
5年、10年といった長期の指標を見てカテゴリー平均(分類平均)よりも安定してリターンが高いファンドは優秀だと思いますので、選ぶならそうしたファンドが良いと思います。
②銀行や証券の営業マンが売り込んでくるファンドの大半が毎月分配型だから(営業成績欲しさに売りつけてきて怪しい)
私の場合、店頭などで営業マンと話をすると決まって毎月分配型のファンドを紹介されます。
どうやら手数料が高いファンドを買わせることで営業マンの成績に反映されるようです。(銀行員の知人に確認)
全ての営業マンが悪質で自分のノルマ達成のために手数料が高いファンドを売りつけているとは思いませんが、①で紹介したようにカテゴリー平均よりもリターンが低いものは避けた方が無難だと思います。
良いファンドかどうかは自分の目で確かめないといけないですよ!
③分配金額が減額されることがある
毎月分配型のファンドの多くは分配金額が減額される傾向にあります。
上のグラフは毎月分配型ファンドの定番であるワールド・リート・オープンの過去の分配金額の推移を調べたものです。
これを見ると、2008年頃までは分配金額は増加傾向にありますが、それ以降は減少が続いています。
増えることもあるので、必ず分配金額が減るとは言えないのですが、傾向としてどのファンドも同じような印象があります。
高い分配金額を当てにして投資をしていた方は数ヶ月、数年先に減額されて泣きをみる可能性があります。
どんな毎月分配型のファンドでもずーっと同じ金額がもらえるわけじゃないんだ!
④特別分配金を出している
ここまでで毎月分配型が危ないと言われている3つの理由を紹介してきましたが、4つ目の『特別分配金』を出しているファンドは本当にヤバイです。
分配金には下図のように『普通分配金』と『特別分配金』の2種類があります。
分配金が運用利益から出ていれば良いのですが、運用成績が悪く投資元本から出ていると最悪です。
自分で投資したお金をそのまま受け取った事になるだけですから。
特にファンドのチャートで基準価額と分配金の合計推移のパフォーマンスがマイナスのファンドは特別分配金の可能性が高いので要注意です。
投資元本が分配されてるだけのファンドなら投資してても意味ないですね。
以上が毎月分配型が危ないと言われている理由でしたが、全てのファンドが悪いわけではないと思っています。
毎月分配型が危ないというのは単なる風評被害?
書籍やブログ等で毎月分配型は危ないと言われすぎている所もあり、本当に良いファンドでも風評被害にあっていると思います。
そうした影響で優良なファンドであっても、資金が集まらずファンドマネージャーが思うように運用ができずにパフォーマンスが上がりにくい所もあるのではと個人的に感じています。
毎月分配型でも優良なファンドは確実に存在します。
例えば、『J-REIT・リサーチ・オープン(毎月決算型)』は、2005年1月の設定来からリーマンショックの時を除いてずーっと右肩上がりのパフォーマンスを示しています。
同じJリートに投資するファンドの平均よりも+1%程度高い利回りが実現できています。
こうした優良なファンドも探せばいくつか見つかるはずですよ!
毎月分配型のファンドだから絶対にダメ!危ない!!ってことはないんですね!
受取直前に急激な下落局面を迎えると分配金がでないファンドの方が危ないこともあるからね!
分配金がでないファンドの方が複利効果で資産は増えていますが、その分下落時による損失割合も大きくなります。分配金を定期的に受け取っていれば利益確保されるので、そのリスクは回避できます。詳しくは下記の記事を参照ください。
⇒投資信託で分配金なしのメリット・デメリットを紹介!どっちがいいの?
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 毎月分配型が危ないと言われている理由は様々
- 全ての毎月分配型が悪いわけではない
- 分配金がないファンドの方が危ないこともある
毎月分配型が本当に危ないかどうか、その理由を紹介してきました。
個人的な感覚ですが、今回紹介したような理由に該当する毎月分配型のファンドが多いだけで、全てが悪いわけではないと思います。
毎月分配型に投資している方、これから始めようと思っている方は紹介したような内容を踏まえて優良ファンドに投資すれば良いと思います。
人気ランキングや営業マンに流されず、長期で見て分配金と基準価額の合算推移が右肩上がりで、手数料が安いファンドを自力で探しましょう!