楽天VTIが良いって聞いたんだけど、これ1本に全力投資して大丈夫かな?
良いファンドだと思いますけど、1本に絞るのはどうかと思いますよ。
楽天全米株式インデックスファンド(楽天VTI)はとても良いファンドだと思います。
変なファンドを複数組み合わせるよりも、市況が良いアメリカ株の全てをコレ1本で買うのは良いと思います。
ただし、アメリカ株のみでの運用はリスク分散が出来ていない事に注意は必要だと思います。
今日は楽天VTIを1本買いする場合のメリット・デメリットを紹介します。
- 楽天VTIはずっと伸び続ける可能性が高い!
- 分散投資できていないリスクには注意
- 楽天VTI VS 分散投資どっちが良い?
まずは楽天VTIのメリットから紹介していきます。
楽天VTIはずっと伸び続ける可能性が高い!
楽天全米株式インデックスファンドは名前の通り、アメリカ株の全てをコレ1本で買うことができます。
投資信託は100円から始められるので、100円で全てのアメリカ株を買えるなんて魅力的ですよね!
それにアメリカ株は過去200年の歴史を振り返ってもずーっと伸び続けています。
アメリカ株は200年間成長を続けている
上図のようにアメリカ株は過去200年において成長を続けています。
個別の株で見れば、下がっているものも勿論ありますが、アメリカ株全体で見ると右肩が上がりが続いています。
つまり、アメリカ株全てに投資する楽天VTIなら長期的に見れば右肩が上がりになる可能性が期待できます。
ただし、100%今後も上がり続けるという保証はないですけどね!
一方で楽天VTIでは十分な分散投資が出来ていない点には配慮が必要です。
分散投資できていないリスクには注意
こちらのように投資信託は様々な地域・様々な金融商品に投資することが可能です。
アメリカ株1本で買うと、もしアメリカに何かが起こった時に株価はどうなるでしょうか?
アメリカは世界一の国なので、どの国も少なからず影響はあると思いますが、アメリカ株は大打撃を受けることは間違いないです。
こうしたリスクをカントリーリスクと言います。
アメリカのような大国は新興国のようなカントリーリスクは極めて低いと思われますが、可能性が全く無いわけではないことは考慮しておく必要があろうかと思います。
じゃあ、こうしたリスクをカントリーリスクを避けるにはどうしたら良いの?
そのためには、アメリカ株1択ではなく、世界中の株や債券を買うことでリスク分散をします!
こちらは、国内外の株・債券に分散積立投資した場合の5年、20年の運用成績です。
短期間(5年)で見ると、元本割れするケースもありますが、長期(20年)で見ると、分散積立投資することで元本割れしなかったという報告です。
こちらも今後に同様の投資をすれば100%元本割れしないという保証はないですが、元本割れのリスクを軽減できる可能性が高いという事が考えられます。
アメリカ株1本でも長い目で見たら元本割れしてないし、長期分散積立投資しても元本割れしてないから、結局どっちが良いんですか?
楽天VTI VS 分散投資どっちが良い?
① アメリカ株のリスク・リターン
② 世界中の株のリスク・リターン
③ 世界中の債券のリスク・リターン
④ ②と③の合算(50%ずつ合算)
上図では米国株、世界中の株や債券に投資した場合のリスクとリターンを見ています。
④は世界全体の株や債券に投資した場合と仮定してオリジナルで作成したものです。
このデータの①を楽天VTI、④を世界全体の株・債券に投資したと見立てて次の表を御覧ください。
上図のグラフは、各期間において米国株と世界中の株・債券に投資した場合の最大・最小リターンの期待値を表したものです。
こうしたデータは短期よりも長期で見た方が好ましいので、データ上では最長の15年を見比べると赤枠になります。
おぉ!アメリカ株すごいじゃん!これは楽天VTIの勝ちってことかな?
最大リターンは高いけど、最小リターンは世界中の株・債券に投資した方が低いですよ!
つまり、楽天VTIは世界全体の株や債券と組み合わせた場合を比較するとハイリスク・ハイリターンということになります!
世界中の株・債券に投資するファンドはどこ?
世界中の株や債券に投資するファンドはたくさんあります。
特に数あるファンドの中でも、インデックスファンドという種類の投資信託が良いと思います。
出典:SPIVA日本スコアカード(2018年末版)(S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス)を加工して作成
上図はアクティブファンドがインデックス(指標)に負けた割合を示しています。
インデックスは手数料を加味していないので、若干アクティブファンドに不利なデータではありますが、それでもインデックスファンドの方が平均的に有利と言えるかと思います。
インデックスファンドであれば、対象としている指標が同じであれば基本的にリターンに大きな差はありませんので、手数料が安いファンドが良いと思います。
中でも『eMAXIS Slimシリーズ』は同じ指標を持つインデックスファンドの中でも最安値の手数料を目指しているファンドです。
基本的にはこの中からファンドを組み合わせれば良いかと思います。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)50%
- eMAXIS Slim国内債券インデックス 10%
- eMAXIS Slim先進国債券インデックス 40%
上記のファンドをそれぞれ、5:1:4の配分で保有すれば、世界全体の株や債券に満遍なく投資できていると言えるかと思います。
(※世界で見たときの日本のGDPは約10%)
ただし、厳密に言えば新興国の債券が含まれていない点には注意する必要があろうかと思います。
複数のファンドを管理するのが面倒だという方は、『eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)』でも良いかと思います。
日本・先進国・新興国の株・債券・リート(不動産)に満遍なく投資するファンドです。
(※新興国のリートには投資しない)
どんな地域(アメリカ・日本・先進国など)のどんな金融商品(株・債券・リートなど)を買うかを決めることをアセットアロケーションと呼びます。
運用をする上で一番大切なことはファンド選びではなく、目標設定です。
まずは『アセットアロケーションとポートフォリオの違いは?投資信託を例に紹介』で紹介したように自分に見合った資産配分(アセットアロケーション)を決めてから運用をするのが良いと思います!
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 過去のデータから楽天VTIは将来的に伸び続ける可能性がある
- 楽天VTIのみの投資はカントリーリスクを高める
- 全世界の株や債券に投資すれば楽天VTI1択よりもローリスク・ローリターン
投資信託の基本は長期分散積立投資だと思っています。
1択にすることで、期待リターンは高くなりますが、その分リスクも高くなります。
目標利回りを設定して、それに沿ったアセットアロケーションを決めてから運用は始めたいですね!
分散投資と言っておきながら『投資信託に債券は不要?外国債券不要論について』で紹介したように私は先進国と新興国の株にのみ投資しています。基本は分散投資だと思いますが、自分が取れるリスク許容度も考えた上でアセットアロケーションは決めていきたいですね!
本当にプロ?米国株式1本で十分じゃん。アホなの?