投資信託のランキングを見るなら『ファンドオブザイヤー』が良いって聞いたんですけど、どこが良いんですか?
金融機関が関係していない中立の立場のランキングだから偏りがないよね!
投資信託のランキングって銀行や証券会社によってバラバラです。
その理由として、金融機関によって、取扱っているファンドが違ったり、力を入れているファンドが異なる事などが考えられます。
金融機関が売りたいファンドのランキングよりも、中立な立場から見たランキングが良さそうですよね!?
今日の授業は参照すべき投資信託のランキングについてです。
- 投資信託で参考にしたいランキング
- 金融機関のランキングは参考にならない
- ランキングよりも自分を信じて!
これら3つをテーマに紹介していきます。
投資信託で参考にしたいランキング
多くの金融機関がファンドの販売額ランキングとして、独自の自社ランキングを紹介しています。
そもそも、ランキングというのはどんなものであっても紹介している機関、お店などによって少々異なります。
でも、投資信託に関しては、金融機関によって大きく異なります。
それは冒頭でもお伝えしたように売りたいファンドのランキングになっているからです。(この理由は後で紹介します。)
ここからは、数あるランキングの中でも中立な立場から紹介されているランキングを3種類紹介していきます。
①投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year
②モーニングスター リターンランキング
③モーニングスター FUND OF THE YEAR
2019年6月21日時点で各ランキングではどの様になっているかを紹介していきます!
①投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year
投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year
http://www.fundoftheyear.jp
このランキングは名前の通り、投資信託に関するブログをやっている方によるランキングです。毎年1月末頃に発表されます。
素人の方のランキングと言われれば、それまでですが、投信ブロガーの方々は個人的には金融機関の窓口の方よりも詳しいと思っています。
金融機関では手数料が多く入る、アクティブファンドがランキングの上位に来ることが多いですが、こちらのランキングではインデックスファンドが上位を占めます。
長期で安定した運用をしたいインデックス投資家にとって、昨年最も注目を集めたインデックスファンドが一目瞭然です!
インデックス投資家なら参考にしたいランキングですね!
②モーニングスター リターンランキング
モーニングスター リターンランキング
http://www.morningstar.co.jp/FundData/FundRankingReturn.do
モーニングスターは投資信託の格付けを行ったり、投資に関する情報を配信する機関です。
自社で投資信託の販売をしていないので、紹介されているランキングも第三者の目から見たランキングと言えると思います。
上図のリターンランキングはここ10年で最も儲かったファンドを示すランキングです。
1年間のランキングだと、たまたま良かったファンドも含まれますが、10年のランキングだと信憑性が増しますよね?
今後も儲かり続けるかは分かりませんが、1位のファンドなんて10年間で毎年30%以上リターンがあった事になります。
とにかく儲けたい!増やしたい!そんな人が参考になりそうなランキングだね!
③モーニングスター FUND OF THE YEAR
モーニングスター FUND OF THE YEAR
https://www.morningstar.co.jp/company/product/com1h.html
こちらの『FUND OF THE YEAR』は投信ブロガーのランキングではなく、モーニングスターによるものです。
厳密にはランキングではななく、最優秀ファンド1つ、優秀ファンドがいくつか紹介されています。
さきほどのリターンランキングは、過去10年で運用成績が良かったファンドですが、こちらのランキングは今後伸びそうなファンドになります。
資産クラス別にファンドの選定基準なども紹介されているので、ファンド選びの参考になるかと思います。
今後期待できそうなファンドを選ぶ参考になりそうですね!
ここまでがファンド選びで参考にするならどういったランキングが良いかを紹介していきました。
ここからは、冒頭の方でお伝えした金融機関のランキングがいかに参考にならないかを紹介していきます。
金融機関のランキングは参考にならない
金融機関の多くは『投資家にとっておすすめのランキング』ではなく、『金融機関にとっておすすめのランキング』になっています。
その根拠は推察による所が大きいですが、これから紹介する内容を見て頂くとご理解頂けると思います。
『銀行』、『店舗型証券』、『ネット証券』の3群に分けた2019年6月21日時点でのランキングをもとに紹介していきます。
銀行
銀行によってランクインしているファンドはバラバラです。
特徴として、手数料が高いアクティブファンドや毎月分配型が多いです。
加えて、青字のファンドは自社関連のファンドです。
総じて銀行は証券会社と比べて取扱っているファンドの数が少ないので、ランキングが異なるのは仕方ないですが、こうも自社関連のファンドにランキングが偏るのは中立とは言い難いのではないでしょうか。
ランキング上位の半分近くを自社関連のファンドが占めていますね!
店舗型証券
店舗型の証券会社も銀行と同じような感じです。
手数料が高いアクティブファンド、毎月分配型が多く、自社関連のファンドがランキングを多数占めています。
『手数料が高い=金融機関が儲かる』という事を考えると、やはり中立という感じはしないですよね。
対面取引の金融機関は売りたいファンドが上位を占めている可能性が高そうですね。
ネット証券
対面取引が無いネット証券はアクティブファンドとインデックスファンドが二極化している印象です。
自社関連のファンドというのはあまりランクインしていません。
アクティブファンドで大きく儲けたい方と、インデックスファンドで安定した運用をしたい方がいるという印象です。
人気ランキングという点ではネット証券が営業マンによる販売介入がないため、リアルなランキングに近いのではないかと思います。
参考にするならネット証券のランキングが良さそうですね!
ランキングよりも自分を信じて!
ポートフォリオの運用成績を決める要因
引用元: Determinants of Portfolio Performance(Financial Analysts Journal / January-February 1995)
ここまでで投資信託の様々なランキングを紹介していきましたが、私自身はランキングは読み物程度でほとんど参考にしていません。
というのも上図のように、どのファンドがおすすめか?というよりも、アセットアロケーションの方がはるかに重要で、資産運用結果の90%以上に影響を与えるからです。
ファンドに関してはわずか4%程度にしかすぎません。
上図の詳細は『アセットアロケーションとポートフォリオの違いは?投資信託を例に紹介』を参照ください。
この事から、運用を成功に導くためには『オススメのファンドは?』、『どのファンドを買ったら良いの?』という質問自体が愚問で、アセットアロケーションをどうすべきかを考えないといけません。
そのためにも、ブログや動画内で何度もお伝えしている通り、『いつまでに』、『いくら欲しい』を明確にして、そのために必要な利回りを決めて、それに沿ったアセットアロケーションを決めることが重要だと考えています。
私が言う『いつまでに』、『いくら欲しい』から決めるアセットアロケーションについては、下記の記事を参考にして頂くと自分にあったものを見つけることができます。アセットアロケーションが決まっていない方は参考にしてみてください。
⇒インデックスファンドで積立投資!始め方から売り方の7STEP
⇒【初めての投資信託】入門編!失敗しない始め方
今日の授業を動画で復習
まとめ
- ランキングは中立のものを参考にすべき
- 多くの金融機関のランキングは金融機関が売りたいファンドランキングになっている
- おすすめのファンドを探すよりアセットアロケーションを決めることがはるかに重要
投資信託を始めようと思っても、周りに相談する人がいない、自分の知識に自信が持てないなどからランキングを参考にしたい気持ちは良く分かります。
ですが、2018年6月に金融庁から発表されたデータでは主要銀行で投資信託を保有している方の5割弱は元本割れしているという発表がありました。
銀行で売れているファンドを買った結果がそれです。
この状況を考えて、ランキングは鵜呑みにせず自分のアセットアロケーションに沿ったインデックスファンドを選ぶことが長期における資産形成には重要な要素だと思います!