NISAでファンドを選ぶ時に『分配金コース』ってのがあるけどコレって何?
分配金の受取方法のことです!NISA口座だと受取方法には特に注意した方が良いですよ!
一般的に投資信託で長期積立投資をするなら分配金は受取らずに再投資した方が運用効率は高まります。これはNISAでも同様です。
ですが、ファンドの購入方法や積立設定を間違うと再投資がができないだけじゃなく、NISAによる非課税の恩恵を受けることすらできないこともあります!
ファンドを購入する際は分配金コースには気をつけて選びたいものです。
今日の授業はNISA口座で運用する投信の分配金の再投資についてです。
- NISAで分配金を再投資する前の注意点
- 正しい分配金の受取方法
- 毎月分配型の投信について
せっかくのNISA口座で運用するんだから、正しい方法で分配金を再投資していきましょう!
NISAで分配金を再投資する前の注意点!
NISA口座は言わずもがな、投資信託や株などの売買で得た運用益が非課税になる口座です。
その運用益にはファンドから出る分配金も含まれます。
一般的に分配金の再投資を行うことで、複利効果を高め、投資効率をUPさせることができます。
でも、ケースによってはNISAで分配金の再投資ができないことがあります。
- 分配金の受取方法が『再投資』になっていない
- 証券会社によっては再投資できない
え?!分配金の再投資ってできないことがあるの?!
①分配金の受取方法を間違うと再投資できない
投信の購入や積立設定をする時に、分配金コースの選択を間違うと再投資できませんのでご注意下さい!
上記は楽天証券での購入画面ですが、赤枠で囲ったように、
- 分配金コースを再投資型にする
- 口座区分をNISAにする(NISAで運用したい場合)
これらをお忘れなく!
他にも注意する点があります!
それは、証券会社によっては分配金を再投資できない所もあるんです!
②分配金を再投資できない証券会社
先ほど図解で紹介した楽天証券のように、分配金コースで再投資を選ぶことができれば良いのですが、
証券会社によっては、そもそも再投資できない所もあります。
他にも、NISA口座で運用している分配金は一般口座や特定口座でしか再投資できない証券会社もあります。
それぞれの分配金の再投資に関してオンライン取引ができる主な証券会社の特徴をまとめるね!
◆各証券会社のNISA口座での分配金の再投資について(2017年5月10日時点)
証券会社 | |
---|---|
NISA口座で再投資可能 | カブドットコム証券、SBI証券、みずほ証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券、東海東京証券、ライブスター証券、いちよし証券、岡三証券 |
NISA口座以外で再投資となる | SMBC日興証券、GMOクリック証券、安藤証券、野村證券、岡三オンライン証券 |
再投資不可能 | 三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券、エイチ・エス証券、立花証券、丸三証券 |
このように、そもそも証券会社によって分配金をNISA口座に再投資できない所がありますので、口座開設の段階からご注意下さい。
NISA口座へ分配金を再投資する際に注意することはそれだけではありません!
えっ?!まだ他にもあるの!!
分配金もNISAの限度額になる
NISA口座は年間で120万円(つみたてNISAは40万円)までが非課税枠として投資可能です。
上の方で紹介した、『分配金再投資コース』を選択した場合、形式上は分配金を一度受け取ってから投資することになります。
ですので、仮に120万円分のファンドを購入して、分配金が1万円出て、これを再投資すると、投資限度枠を超えてしまうのでNISA口座でなく、課税口座へ再投資されます。
つまり、分配金を再投資することでNISAの投資限度枠を消費してしまうということです。
証券口座にはNISA以外に一般口座と特定口座(源泉徴収あり・なし)の2種類の課税口座があります。口座によっては確定申告が必要なこともありますので、詳しくは下記の記事をご参照ください。
⇒投資信託にも税金がかかる?!確定申告しないといけないの?
ってことは、NISAだと毎月分配型みたいに分配金がよく出るファンドを購入する時は投資限度枠に注意が必要だね!
そうだね!でも、そもそもNISAで毎月分配型を購入するのはオススメできないんだよ・・・。
毎月分配型の投信はNISAに不向き?!
毎月分配型の投資信託がNISAに不向きな理由を解説するために、分配金の仕組みについて簡単にご紹介します。
分配金には2種類あって、課税対象になるものとそうでないものがあります。
- 普通分配金:課税対象となる分配金
- 特別分配金:課税対象とならない分配金(非課税)
両者の違いは簡単にうと、普通分配金は運用益から出た分配金で、特別分配金はファンドの基準価額を削って出た分配金です。要するに、特別分配金は自分が投資した額の一部が返ってきてるだけの分配金です。詳しくは下記ので紹介していますので、参考にしてみて下さい。
⇒投資信託の分配金の仕組みを知ろう!どこからお金が出ているの?
毎月分配型の場合は、運用成績に関係なく分配金を毎月出さないといけないので、普通分配金でなく特別分配金が出ているケースもあります。
特別分配金は元々非課税の分配金なので、NISA口座で運用するメリットがありません。
全ての毎月分配型の分配金が特別分配金というわけではありませんが、その傾向が強いです。
そう言えば、受取方式によっては課税されることもあるって聞いたんですけど、その辺がよく分かってなくて・・・。
さすがエリコ先生、細かい所までついてくるね~!受取方式の違いで課税されるのは分配金でなく、配当金です!ちょっと話がそれますが、株と投資信託の両方をしたい方に向けて紹介していきますね!
受取方法を間違うと課税対象に?!
色々な書籍やサイトを見ていると、受取方式を間違うと課税対象される!って言う内容がありますが、投資信託の分配金に関しては心配する必要はありません。ただし、株式投資をする場合の配当金には注意が必要です。
- 分配金:投資信託で定期的に支払われる
- 配当金:株式で定期的に支払われる
このように、分配金は投資信託、配当金は株式投資で得られるものです。
参考までに、どんな受取方法があるかを紹介します。
- 配当金領収証方式:ゆうちょ銀行・郵便局で受取
- 登録配当金受領口座方式&個別銘柄指定方式:銀行で受取
- 株式比例配分方式:証券口座で受取
NISA口座で株式投資をする可能性もあるなら、口座開設をする時に『株式比例配分方式』を選択することをオススメします。
というのも、それ以外の受取方式で配当金を受取った場合はNISA口座で運用していても約20%が課税対象となるからです。
今日の授業を動画で復習
まとめ
- 分配金を再投資したいならファンド購入時に分配金コースを再投資型にすること!
- 証券会社によっては分配金を再投資できない所もある
- 再投資した分配金はNISAの年間投資限度額に含まれる
- 毎月分配型の投資信託はNISAに不向き
- 口座開設時には『株式比例配分方式』での受取がオススメ
投資信託で投資効率を高めるためには分配金の再投資は必須だと思っています。
ですが、そのためには分配金の再投資コースや、再投資ができる証券会社を利用しないといけません。
もし自分が利用している金融機関が再投資できない場合は『NISAの金融機関変更手続きについて!意外な落とし穴が!?』を参考に金融機関の変更を検討しても良いと思います。
あぶなかった~!!NISA口座で再投資できる証券会社で口座開設しないといけないね!