悩

NISAと特定口座を併用して運用しようと思ってるんだけど、どう使い分けたらいいのかな?

困

余剰金ができてくると悩む所だよね!

余剰金が増えてくるとNISA(つみたてNISA含む)の限度額を超えた運用も視野に入ってきます。

そうなると、一般口座や特定口座などを利用して更に運用を検討したくなりますよね?

その場合、課税口座と非課税口座をどう使い分けるのか?その戦略について紹介していきます。

笑

今日の授業はNISAと特定口座の使い分けについてです。

  • NISA・特定口座の併用時の使い分け戦略
  • 節税を活かした他の運用方法も検討

まずは両口座を併用した使い分け戦略から紹介するね!

NISA・特定口座の併用時の使い分け戦略

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結論からになりますが、私としてはNISAと特定口座を併用する場合、使い分けについては下記のように考えています。

◆NISAと特定口座の使い分け
【NISA】

  • 原則、NISAを優先して使用する
  • 運用益が高そうな金融商品を選ぶ
  • 売買頻度が少ない金融商品はNISAで買う

【特定口座】

  • 運用益が低くなりそうな金融商品を選ぶ
  • 短期トレードは特定口座をメインにする
ポイント

つまり、リターンと売買頻度に注目して使い分けようってことです!

笑

投資信託で株や債券のファンドを買うなら、株はNISA、債券は特定口座ってことですね!

ポイント

そうですね!一般的に株の方が債券と比べるとリターンは大きくなるからね!

このようにNISAと特定口座の使い分けはできると思います。その理由はあとで紹介しますが、そもそもNISAと特定口座は併用できるのか?という点について触れておきます。

NISAと特定口座は併用できるのか?

NISAと特定口座の併用は可能です!

◆NISAと特定口座の併用について
両口座は併用できますし、同じファンドや株をそれぞれの口座で運用することも可能です。また、金融機関は別々であってもOKです。

このように、両口座を併用するには特に制限や縛りといったものはありません。(もちろん、『NISA口座は複数の証券会社で持てる?2つ目を開設したい方へ!』で紹介したようにNISAを複数口座開設することはできません。)

NISAだけでなく、つみたてNISAやジュニアNISAであっても同様です。

では、本題のNISAと特定口座の使い分けを考えていきます。

それを紹介するためにも、両者のメリット・デメリットをまとめます。

NISA/特定口座の特徴

◆NISAのメリット・デメリット
【メリット】
運用益が全て非課税になる
確定申告不要

【デメリット】
投資額に限度がある
他口座との損益通算・繰越控除ができない
つみたてNISAは株の運用ができない(NISAは株も投資信託も可能)

◆特定口座のメリット・デメリット
【メリット】
確定申告不要(※特定口座(源泉徴収なし)や一般口座は必要)
他口座との損益通算・繰越控除が可能
様々な金融商品の運用が可能

【デメリット】
運用益に対して20.315%が課税


ポイント

両口座で特に気をつけたいのは、

  • 課税対象になるかどうか
  • 投資限度額の有無
  • 損益通算・繰越控除ができるかどうか

この3点が重要ってことです!

ここからはNISAと上記の3点について詳細を紹介していきます。

運用益の課税の仕組み

一般的に下図の様に投資信託や株で儲けた額に対して20.315%の税金が発生します。

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図は投資信託を例に紹介していますが、株でも同様です。

たまに勘違いされる方がおられますが、売却金額の合計に対して税金が掛かるのではなく、利益に対して20.315%が課税されます。

ですので、運用が上手く行かずマイナス損益になった場合は税金は掛かりません。

また、投資信託の分配金や株の配当金に関しても基本的には同様に課税されます。

ただし、分配金に関しては普通分配金にのみ課税され、特別分配金には税金はかかりません。

★普通分配金と特別分配金の違いについて
分配金は基準価額の一部を切り崩して還元されます。運用成績が悪いと基準価額が減ってるのに分配金に税金がかかっては損した感じになりますよね。そうならないために、ケースによって特別分配金と呼ばれる非課税の分配金が出ることがあります。詳しくは下記の記事を参照ください。
投資信託の分配金の仕組みを知ろう!どこからお金が出ているの?

このように課税されるのは特定口座のみであり、NISAではこれらがかかりません。

驚

なるほど!だからこそ、利益が大きくなる可能性が高いものほどNISAで運用した方が節税効果の恩恵を受けられるんですね!

ポイント

そうだね!加えて、確定申告の手間もそもそもNISAなら非課税なのでしなくてOKです。特定口座(源泉徴収あり)でも天引きで課税されるから確定申告は必要ないけど、特定口座(源泉徴収なし)や一般口座での取引だと確定申告が必要だから注意が必要です。

驚

それじゃ、断然NISAの方がお得じゃん!

困

でも投資額に上限があるのがNISAなんですよ。

投資限度額について

先に紹介したメリット・デメリットでも触れたようにNISAには投資限度額が設けられています。

◆NISAの年間投資限度額
一般NISA:120万円
つみたてNISA:40万円
ジュニアNISA:80万円

このようにNISAの種類にもよりますが、年間に投資できる限度額が決まっています。

投資限度額について、つみたてNISAを例に挙げると下図のようになります。

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つまり、年間で保有できる金額が40万円(つみたてNISAの場合)ではなく、購入した金額が40万円までとなります。

こうした事からNISAで頻回に売買をする場合は貴重な投資限度額を削ってしまうことになるので短期売買には向かないです。

笑

ってことは、株のデイトレとかはNISAではしない方が良いってことだね!

ポイント

そうですね!基本的には短期売買するなら特定口座や一般口座が良いと思いますよ!でも、NISAでやるメリットもありますよ!

★NISAで短期売買するメリット・デメリット
NISAで短期売買するのは投資限度額をすぐに使い切ってしまう可能性が高いので勿体無い感じがしますがメリットもあります。詳しくは下記の記事をご参照ください。
NISAでデイトレするデメリットは?悪いことばかりじゃないよ!

怒

上の記事でも紹介した通り、NISAで損失を出した場合は損益通算や繰越控除ができないので要注意です。

困

損益通算?繰越控除??それって何ですか???

損益通算・繰越控除控除について

まずは損益通算と繰越控除の意味について紹介します。

◆損益通算と繰越控除
損益通算:損失が出た場合にその年に得た利益と相殺して税金を軽減する事です。

繰越控除:年間の取引が赤字だった場合に3年間に渡って損失分を繰越す事で翌年以降の利益と相殺して税金を軽くすることです。


このような税金の負担を軽減させる事ができるのが、『損益通算』と『繰越控除』です。

あまり考えたくありませんが、投資をするならマイナスリターンになる覚悟は必要です。その上で、マイナスになっても軽減措置があるのは嬉しいポイントです。

ですが、この『損益通算』と『繰越控除』はNISAではできないんです!

特にデイトレなどの短期売買を何度もする方は毎回の取引を100%黒字にできる方は少ないと思います。

マイナスがあって、プラスがあってトータルで黒字になる方が大半ではないでしょうか。

このように売買頻度が多い方は年間の赤字分を相殺できる特定口座や一般口座が良いと思います。

ポイント

ここまでの内容をまとめると、、、

  • 売買頻度が多い方は特定口座(一般口座含む)
  • ハイリターンの金融商品はNISAで投資

ってことですね!

笑

両口座で資産運用するならそうなるね!でも、税制面でお得な資産運用方法って他にもあるよ!

節税を活かした他の運用方法も検討

NISA以外にも税制面でメリットのある資産運用は企業型確定拠出年金個人型確定拠出年金(iDeCo)に加えて保険商品があります。

確定拠出年金はNISA以上に節税効果があり、運用益が非課税になるだけでなく、掛金が課税所得から引かれるので所得があって税金を納めている方は確定申告や年末調整でお金が戻ってきます。

★確定拠出年金について
確定拠出年金については企業型と個人型があり加入できる方に制限があります。NISAよりも節税効果が高いメリットがありますが、60歳以降でないと引き出せないというデメリットもあります。詳しい制度内容は下記の記事を参考にしてみてください。
イデコ(iDeCo)とは?制度の概要を詳しくご紹介します!
イデコの対象者は?節税メリットを詳しく教えます!

企業型確定拠出年金に加入されている方の一部はiDeCoに加入できないケースもありますが、マッチング拠出と言って、掛金を手出しで上乗せすることができます。(ただし、お勤めの会社によってはできない所もあります。)

ポイント

確定拠出年金は加入できるようだったらNISA以上に積極的に活用していきたいですね!

この他にも保険による節税も可能です。

生命保険は加入されている方が多いと思いますが、個人年金保険に加入されている方は案外少ないのではないでしょうか。

個人年金保険は元本確保型の金融商品なのでリスクは低く、一定の運用利回りがありますし、掛金に応じて課税所得から控除を受けられるので節税効果もあります。

ポイント

個人年金保険は株や投資信託と比べると運用利回りは低くなりそうだけど、元本確保型だから手堅い運用ができそうですね!

今日の授業を動画で復習

まとめ

★ココがポイント★

  • 売買頻度が多いなら特定口座や一般口座
  • ハイリターンを狙うならNISA
  • NISAの限度枠を超える分は確定拠出年金や個人年金保険の活用もあり

NISAの限度枠を超える運用は悩ましい所です。できれば節税をしながらお得に運用したいですよね?!

今回紹介したようなNISAと特定口座の使い分けだけでなく、確定拠出年金や個人年金保険も組み合わせるとまだまだ節税しながら運用することは可能です。

これらを使い倒しても余剰金があれば、特定口座や一般口座での運用が良いと個人的には思っています。

笑

税制面で優遇される制度はどんどん拡充している印象があります。新しい制度ができたり、対象範囲が拡大されるなどの情報があれば今後もブログや動画等で配信していきますね!