イデコを始めようと思うんですけど、手数料に信託報酬っていうのがあるけどコレ何ですか?
投資信託をする場合に掛かる手数料のことですよ!
イデコは非課税でオトクに資産運用できるから始めてみようと思った方も多いはず。
でも、イデコは制度の枠組みの事で、実際は投資信託や銀行預金などで運用することになります。
今日の授業はイデコで投資信託をする時の信託報酬について紹介するよ!
- イデコに掛かる信託報酬って何?
- 信託報酬から投資信託を選ぶ方法
- 信託報酬を気にするなら金融機関も検討しよう!
それでは、早速授業スタート!!
イデコに掛かる信託報酬って何?
イデコと信託報酬は実は全く関係がなく、投資信託を保有している際に掛かる保有手数料の事です。
資産運用で税制面でお得な制度と言えば、イデコだけでなくNISAなどもありますが、これらの制度で運用する投資信託の全てに保有手数料(信託報酬料)が掛かります。
投資信託の事がイマイチ分からない方に、ざっくり簡単に株で紹介します。
例えばトヨタの株を買ったとします。これを保有していると手数料として株価に対して一定の割合で支払うものが信託報酬料です。
実際に株では保有手数料はありませんが、どんな投資信託でも必ず掛かります。
保有してるだけで手数料が取られるなら赤字になるんじゃないの?
投資信託なら手数料以上にリターンが期待できるから、やってる人も多いんだよ!
実際に信託報酬料ってどのくらい掛かるんですか?
信託報酬の目安は?
投資信託における信託報酬はファンド(投資先)によって大きく異なります。
0.15%~2.5%程度のものが多いです。
具体的な手数料の金額は投資信託の基準価額(投資信託の株価のようなもの)に信託報酬料を掛けた額から計算されます。
また、投資信託には信託報酬以外にも手数料が掛かります!
えっ?!他にも手数料掛かるの!
投資信託には他にも手数料が掛かる?!
投資信託に掛かる手数料は以下の3つがあります。
- 信託報酬料(保有手数料)
- 購入手数料
- 信託財産留保額(売却手数料)
信託報酬以外にも投資信託を購入する時に購入手数料が発生します。
購入手数料に関しては、無料の投資信託も多いです。
また、売るときにも売却手数料として信託財産留保額が発生します。
これも、無料の投資信託が多いです。
繰り返しますが、どんな投資信託でも必ず掛かるのは信託報酬料です。
投資信託に掛かるあらゆる手数料について、その目安や内容を過去の記事で紹介しています。気になる方は参考にしてみてください。
⇒投資信託にかかる手数料の目安は?運用成績を少しでもあげるために
ところで、信託報酬っていつどうやって引かれるんですか?その都度支払うの?
信託報酬はいつ、どのタイミングで支払うのか?
信託報酬は投資信託を保有している間に、証券会社や銀行から請求書が来て都度支払うような面倒くさい事はしません。
最初の方で少し触れましたが、投資信託の基準価額から決められた信託報酬料を掛けた額が自動的に毎日支払われています。
例えば基準価額が1万円、信託報酬料が1.08%のファンドがあったとします。
信託報酬料を1年間(365日)で割ったとすると、約0.00296%になります。この割合に基準価額を掛けた額が日々発生する信託報酬料です。
つまり、1万円×0.00296%=0.296円が日々支払う信託報酬料となり、この値を引いた額が基準価額として反映されています。
つまり、毎日更新される基準価額には運用成績だけでなく信託報酬も加味した額が反映されているってことです!
信託報酬は毎日掛かる手数料だから、同じようなファンドだったら安い所の方がオトクだよ!
どうやって信託報酬は比較したら良いのかな?
信託報酬の比較方法
信託報酬が高い(安い)で、ファンド(投資信託)の良し悪しは決まりませんが、安いに越したことはありません。
また、信託報酬でファンドを選ぶと言っても、日本株を中心に投資する所と新興国株を中心にする所では信託報酬料に大きな差があります。
信託報酬を比較するなら、まずは類似のファンド内で比較しないといけません。
また、信託報酬は表向きの料率と実質のコストは異なることがあります。
ん?どういうことですか?
信託報酬の実質コストについて
そもそも信託報酬は、ファンドが株などで資産運用する際に掛かる人件費等を含んだ手数料のことです。
必ず一定額が掛かるのではなく、その時々に応じて手数料は上がることがあります。
各ファンドの本当の信託報酬料(実質コスト)は運用報告書でチェックすることができます。
運用報告書のどこを見れば実質コストが分かるかは下記の記事で紹介しています。また、運用報告書はgoogleなどで『ファンド名 運用報告書』と検索すれば見つかります。
⇒投資信託にかかる手数料の目安は?運用成績を少しでもあげるために
もうちょっと具体的に信託報酬料を考えたファンドの選び方を教えてよ~!
信託報酬で選ぶファンドの決め方
信託報酬を基準にファンドを選ぶには2つの条件があります。
- 投資先が同じようなファンド同士で比較する
- 実質コストも加味してファンドを選ぶ
これらを意識して選ぶと良いのですが、具体的な方法をココで書くとものすごい量になってしまいます。
簡単に言うと、、、
- 同じような運用先(同じカテゴリ)のファンドを対象に数値を比較
- 比較する数値はリターン、リスク、信託報酬料
これらを意識すると良いです。
より詳しくは以前に『投資信託の銘柄の選び方は?データを良く見て探してみよう!』という記事でデータの味方や選び方を紹介しているので参考にしてみてください。
基本的にイデコは60歳まで積立てし続ける長期スパンで考えるものです。たかが数%、数百円の手数料でも何十年も掛かり続けると大きな金額になります。
そうした意味でイデコで投資信託をする際に、ファンドの信託報酬はもちろん重要ですが、イデコの口座そのものにも掛かる手数料にも気をつけたい所です。
イデコの口座にも手数料が掛かるの?!
信託報酬を意識するなら金融機関も考える
ここまでで信託報酬は投資信託をするなら必ず掛かる手数料と紹介していきました。
異なる証券会社や銀行で口座開設したイデコであってもファンドが同じであれば信託報酬に差はありません。
ですが、証券会社や金融機関によってイデコの口座にかかる手数料には差があるので注意しましょう!
イデコの口座に関する手数料
税制上で有利とされるイデコには実は様々な手数料が掛かっています。
- 加入・移換時手数料
- 口座管理手数料
- 給付手数料
- 還付手数料
- 移換手数料
国民年金基金連合会:2,777円(初回のみ)
イデコに新規加入したり、企業型確定拠出年金から移換した場合に掛かる手数料です。
国民年金基金連合会:103円/月、信託銀行:64円/月、金融機関:金融機関によって異なる(0円~450円/月程度)
毎月イデコに積立をした場合に掛かる月額手数料です。ただし、積立を中止した場合は国民年金基金連合会に支払う103円は掛からなくなります。(信託銀行、金融機関への支払いは同額が必要です。)
信託銀行:432円/回
積立ててきた金額の給付を受ける時に掛かる手数料です。分割して受け取る場合、その回数分の手数料が発生します。
国民年金基金連合会:1029円/回、信託銀行:432円/回
イデコの限度額を超えた場合や、加入資格がない時に積立てしまった掛け金を加入者に返金する場合に発生します。
金融機関:金融機関によって異なる(4,320円程度)
イデコを他の金融機関で運用したい場合や企業型確定拠出年金に移管した場合に掛かる手数料です。
イデコは色々な手数料が掛かるんだね!
そうだね!でも、どこの金融機関でも国民年金基金連合会と信託銀行に支払う手数料は同じみたいですね!
そうなんですよ!でも、毎月掛かる口座管理手数料だけは金融機関によって異なるから手数料が安い所が良いよね!
手数料が安い金融機関はどこ?
60歳まで積立を考えるなら毎月掛かる口座管理手数料は安いに越した事はありません。
最安値の金融機関なら、口座管理手数料の内、金融機関への手数料が無料で、国民年金基金連合会に103円/月、信託銀行に64円/月、合計167円/月だけで済む所がいくつかあります。
逆に最も高い所は、617円/月も掛かる所があります。
20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)の口座管理手数料の差を比べると、、、
167円×480ヶ月=80,160円
617円×480ヶ月=296,160円
その差は、216,000円!
実に20万円以上の差が出てきます。
せっかくのイデコの節税効果を高めるなら、この口座管理手数料も意識した金融機関選びが大切です。
中でもオススメはマネックス証券と松井証券です。
口座管理手数料が安くても肝心の投資信託が充実していないと意味がありません。
そうした観点からもこれらの2証券はおすすめです。
詳しくは『イデコの取り扱いはどこ?比較した結果この証券会社がおすすめ!』もご参照ください。
まとめ
- イデコに掛かる信託報酬とは投資信託で運用する場合の手数料のこと
- 信託報酬でファンドを選ぶなら運用報告書の実質コストを見ること
- イデコの口座管理手数料は金融機関によって差がある
イデコで投資信託をする際の手数料について信託報酬を中心に紹介してきました。
60歳まで運用できるイデコの節税効果をフルに活かすには信託報酬だけでなく、口座管理手数料も抑えたい所です。
長期投資を見据えた資産運用を成功させるためにも、これらの手数料を意識すると良いですよ!